インド:NHK支局長のビザ更新を拒否

2010年7月8日 19時11分 更新:7月8日 21時22分

 【ニューデリー栗田慎一】NHKニューデリー支局の支局長(46)が、インド外務省からビザ(査証)の更新を拒否され、インドに入国できない状態になっていることが分かった。NHK広報によると、NHKの記者がインドからビザの発給を拒否されたのは初めてとみられ、「(インド側から)公式な理由説明がなく、在京インド大使館に問い合わせている」という。一方、インド外務省は「ビザ申請が適切に行われなかったか、取材活動に何らかの疑念が生じたため」としている。

 NHKによると、支局長は1年滞在のビザが切れる6月18日を前に更新を申請。しかし、インド外務省から理由の説明がないまま拒否されたという。支局長は7月5日に帰国した。

 NHKは、09年5月に放送したNHKスペシャル「インドの衝撃」(07年放送開始)でカースト(身分制度)問題を取り上げた後、別のニューデリー特派員の場合もビザ取得に時間がかかった。支局長は08年6月にニューデリー支局に赴任し、「インドの衝撃」の制作にも携わった。

 また、4月にインド西部の原子力関連施設をNHKの別の特派員が取材したことに対し、地元メディアが問題視する記事を掲載するなどしていた。

 一方、インド外務省は取材に、「今後適正な申請があればビザ発給はあり得る」としたが、何が問題だったのかは明らかにしなかった。

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