参院選2010
昨年の政権交代後、初の大型国政選挙。菅首相が有権者の審判を初めて仰ぐ
【社会】ニホンザル謎の大量死 原因不明の出血症2010年7月9日 朝刊 京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)で飼育しているニホンザルが二〇〇八〜一〇年、原因不明の疾病で三十八匹死んでいたことが分かった。いずれも血液中の血小板、白血球、赤血球が著しく低下し、極度の貧血状態だった。会見した松沢哲郎所長らは「未知の病原体による感染症の可能性が高く、治療法も見つかっていない」としながらも「他種のサルや人間に感染、影響するとは考えられない」と説明した。 同研究所によると、〇八年三月〜一〇年四月に三十九匹が発症し、三十八匹が死んだ。また〇一年七月〜〇二年七月にも七匹が発症、六匹が死んでいた。 発生場所は研究所の屋内飼育室、屋外放飼場など三カ所に限られた。症状は臓器中の出血、鼻粘膜からの出血、皮下出血斑、暗褐色の泥状の便など。死亡時には血小板の数がゼロになるケースがほとんどだった。 研究所側は「エボラ出血熱のような感染症とは異なり、ニホンザルの特異的な疾患」との見解を示し、病因の特定を進めている。 一連の経緯について、同研究所は六月二十日発行の日本霊長類学会の機関誌最新号に「ニホンザルの出血症(仮称)について」と題する論文を掲載した。 上野動物園(東京都台東区)によると、同園では同様の疾病で死んだサルはいない。「獣医師が健康管理をしており、病死は珍しい」(教育普及課)。多摩動物公園(同日野市)と羽村市動物公園(同羽村市)でも、サルが大量に死亡する事例は起きていない。
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