日常的に虐待か 半年前から調査
日常的に虐待か 半年前から調査 07/01 19:35

きのう、長崎県の港で5歳の長女の遺体を抱いていた母親が殺人容疑で逮捕された事件です。

親子が住む福岡県久留米市が、半年ほど前から虐待の疑いで調査していたことが分かりました。

福岡県久留米市の江頭順子容疑者は先月27日、自宅で長女の萌音ちゃんの首を絞めて殺害したとして、きょう、送検されました。

江頭容疑者はきのう、長崎県平戸市の海の中で萌音ちゃんの遺体を抱いているところを発見されました。

久留米市は昨夜、会見を開き、半年ほど前から江頭容疑者による虐待の情報が寄せられ、指導を続けていたことを明らかにしました。

●久留米市子育て支援部・奈良崎洋治部長
「首を絞められた跡があるという情報がありますが、その後児童が元気でいたという情報も確認していますので、そういう意味では、こんな事態になるとは想定してしませんでした」

●萌音ちゃんが以前通園していた保育園副園長
「お母さんとじっくり話し合って、担任も私たちも話して、絶対にそういうこと(虐待)がないようにということで話しましたが、お母さんはその事実をなかなか認めなかった」

萌音ちゃんはその後、保育園に姿を見せなくなり、心配した職員が、何度も家庭訪問したと言います。

●保育園副園長
「担任が2人行きまして、頬と足首に合計3か所アザを見つけて、すぐ市の家庭相談室に連絡した。(江頭容疑者)は、自転車で転んだり、何かにぶつけたりしたアザだと説明したそうです」

これとは別に市もおよそ20回にわたって電話相談や家庭訪問を続けていました。

そして、先月23日、新たに通い始めた託児所から、虐待を疑わせる情報が寄せられます。

萌音ちゃんの首に絞められた跡がある、という通報を受けて、先週金曜日には、職員がこちらの自宅を訪れていました。

しかし、江頭容疑者は「今はいない」などといって萌音ちゃんとは面会させなかったということです。

●久留米児童相談所・小松良樹所長
「状況が変われば、その状況に応じて、子供の安全を確保するということが第一ですので、そういう対応をするということになってます。(今回はそこまでの事態になっていないと思った?)そうですね」

●保育園副園長
「どうしてこんなことになってしまったのか、本当に情けなくて、たまりません」

また、今回も周囲が子どもの異変に気づきながら最悪の結果を防ぐことはできませんでした。

家庭内での出来事の調査に強制力を持たせる法整備を求める声も広がっています。