“普天間問題” 福岡への受け入れは
“普天間問題” 福岡への受け入れは 07/01 19:28

参議院選挙の投票日まで10日となりました。

普天間基地の移設問題では、今後、福岡県内の自衛隊基地にも負担が求められる可能性がありますが福岡選挙区の立候補者は選挙戦で普天間問題をどう訴えているのでしょうか。

福岡県築上町の航空自衛隊築城基地。

在日アメリカ軍の再編に伴い沖縄の基地負担を軽減するため、3年前からアメリカ軍の戦闘機訓練を受け入れていますが今後、さらに負担が増える可能性が出てきています。

「日本本土の自衛隊の施設・区域も活用され得る」これは、当時の鳩山総理が退陣するきっかけとなった普天間基地の移設問題で、5月末に出された日米共同声明の内容です。

辺野古に滑走路を建設し、訓練の移転先として築城基地も選択肢の中に含まれています。

きょうも激しいエンジン音を響かせ、戦闘機が離着陸の訓練を行っています。

航空自衛隊築城基地周辺に住む人たちは、普天間基地移設の問題、そして参議院選挙をどう思っているのでしょうか

●築上町・築城基地周辺の住民Q訓練の受け入れは?
「(訓練の受け入れ)仕方のない面もあるけど、出来ればない方が良いかな」(男性)
「なくなれば、それが一番いいけど、なかなかね。現実と理想は難しい」(男性)

Q参院選候補に望むことは?
「日本全体、世界全体のことを考えられる方に、政権を握ってもらいたい」(女性)

参院選・福岡選挙区の立候補者に福岡県内での訓練の受け入れについて聞きました。

民主党の大久保勉氏は、まず鳩山政権の迷走を反省すると述べました。

●民主党・大久保勉候補
「5月末に解決するというのはあまりにも拙速すぎたと、いま考えて反省します」

Q訓練を福岡でも一部受け入れる?
「そういったことも可能性としてはありますが。仮定の議論はすべきじゃないと思います」

辺野古への移転で袂を分かった民主党と社民党の両党から推薦を受ける堤要氏は今後の情勢次第だとしています。

●無所属(社民・民主推薦)・堤要候補
「長期的に見れば、全体に軍縮の方向性になってきているので、いまの軍事力を維持する必要があるのか、もっと縮小していいんじゃないかということも含めて、議論が必要だと思います」

連立政権を組む国民新党の吉村剛太郎氏は、沖縄県外での受け入れについて考える必要があるとしています。

●国民新党・吉村剛太郎候補
「国民全体が、そういうもの(訓練や基地)を受け止める気持ちを持って、初めて国防というのが成り立つ。全部を沖縄の方々に押し付けるのはよろしくない。日本国民全員で考えるべき」

一方、野党・自民党の大家敏志氏は受け入れには慎重な議論が必要としています。

●自民党・大家敏志候補
「沖縄の人たちの意見を、もう一度きちんと聞くべきだと思いますね」

Q沖縄の痛みを福岡も分かち合ってといわれたら?
「そこが、非常に古くて新しい問題で、慎重な議論が必要だと思います」

みんなの党の佐藤正夫氏は訓練の移転は道州制のような広い地域で考えるべきだと話します。

●みんなの党・佐藤正夫候補
「福岡だとか、そういう考え方はやめたほうが良いと思いますね。我々が、地域主権国家を望んでいるのは、いわゆる道州制ですよ。そんな小さな単位で考えるよりも、州単位で考えるような政策をやったほうが良いと思います」

共産党の篠田清氏は、沖縄の基地の撤去を主張し、沖縄県外への移転についても反対しています。

●共産党・篠田清候補
「断固拒否です。沖縄の多くの皆さんが、本土で受け入れてくれと望んでいるわけではないので。アメリカが無条件撤去を受け入れて、アメリカに帰る。どこに基地を作るかは、アメリカが判断すべきである」

諸派の吉冨和枝氏は、日米同盟の強化を訴えています。

●諸派・吉冨和枝候補
「福岡県民も、国を守りたいというのは、強い地域柄であると思っている。沖縄の方々と同じく、国を守っていくという気持ちは同じです」

普天間基地の移設問題はいまは、消費税増税問題などの陰に隠れてしまった感がありますが、国の安全保障は1票を投じる際の判断基準となる大切な問題であることに変わりはありません。