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「生活保護目当てじゃない」 46人呼び寄せた姉妹語る(1/2ページ)

2010年7月8日

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 入国直後の中国人46人が生活保護を申請した問題で、46人を日本に呼び寄せた中国・福建省出身で大阪市西区に住む林愛英(はやし・あいえい)さん(79)、林珠英(しゅえい)さん(78)の姉妹らが7日、朝日新聞などの取材に応じた。姉妹は中国残留邦人の子で2008年に日本国籍を得た。「家族を中国に残すのが心配で一緒に暮らしたかっただけ。生活保護が目的で呼んだのではない。やっと日本に来られて喜んでいたのに……」と話した。

 姉妹や関係者によると、姉妹の母親は福岡県出身で、戦前に中国人と結婚して福建省に渡った。戦後、家族は日本人と結婚していることを理由に暴行やいじめを受け、何日も食事ができないような貧しい生活を送った。母親と姉妹の兄(82)らは1997年に帰国。だが母親は出生届が出されていなかったため日本国籍が取得できず99年に亡くなり、兄も強制送還された。

 母親は姉妹らに「あなたたちは日本人だ。力を合わせて日本に戻りなさい」と何度も言い聞かせていた。姉妹は「日本に帰ったらもっと自由になるはず」と08年に兄と来日。DNA型鑑定で母親の親族の日本人との血縁関係が証明され、日本国籍を得た。

 姉妹と兄は実子10人や配偶者、孫ら計53人を呼び寄せるため09年1〜2月、在留資格認定を申請し、今年3月に「定住者」に認定された。53人は6月までに来日し、うち46人が大阪市で生活保護を申請、2人が市に相談に来た。

 珠英さんの次男(42)は6月11日に来日し、すぐに職を探したが、まだ見つからない。外国人登録で訪れた東淀川区で生活保護制度を知り同17日に申請した。「こんなに景気が悪いとは思わなかった。若くて元気なのに生活保護をもらうのはメンツが立たない。自分で稼いだカネで生活した方が気分がいい。仕事さえあればすぐにでも受け取りをやめたい」と話した。

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