キャリアアップのための夏ボーナス賢い使い道
7月に入り、夏のボーナスの支給もひと段落。日本経団連の調査によれば、今夏ボーナスの妥結額は平均79万468円で、前年比+1.51%(調査対象は主要21業種・大手251社。東証1部上場、従業員500人以上)と、底打ちを示唆。一方で、中小企業は不景気の影響から脱しきれず、減額というケースも少なくない。最近の景況感を受けて、金額に限らず賞与を受け取れるだけありがたい、というのがサラリーマンの本音だろう。
気になるのは、他人のボーナスの使い道。近年は堅実派が増えたのか、各社が行うアンケートでは「貯蓄」が軒並み1位を獲得している。IT&Web業界で働くシングルなら、iPhone 4やiPadなど最新のデジタルデバイスに投資するだろうか。
今回編集部が提案するのは、「キャリアアップにつなげる自己投資」という選択肢だ。週末起業フォーラム主宰者として知られる、株式会社アンテレクト代表取締役で経営コンサルタントの藤井孝一氏にお話をうかがった。
増える週末起業での飲食店経営 ボーナスを頭金に使っては?
「資産形成という観点から、ボーナスを貯蓄に回すというのも賢い選択でしょうが、自己投資に使って欲しいというのが私の考え。キャリアアップに役立つ本を買う、資格を取る、人と会うといったことに投じてみてはいかがでしょうか」
ご存じの通り、藤井氏は「会社を辞めずに、小資本で起業する」がコンセプトの、週末起業の提唱者。藤井氏自身もサラリーマン時代に週末起業を実践し、その後独立して現在に至る。週末起業フォーラムを主宰してからは、日本全国でセミナーを行い、これまで2,000名近くが参加。数多くの週末起業家も輩出している。
藤井氏が提案するのは、「せっかくならボーナスを自己投資に使い、趣味や自分が楽しめる分野で週末起業を始めてみては」ということ。
「最近は、会社勤めをしながら週末起業として飲食店のオーナーを始める方も少なくありません。収益構造がシンプルで透明化しやすいのでリスク管理がしやすく、実はサラリーマンでもできるんですよ。なかには、練習を兼ねてバーテンダーのアルバイトをし、その後にバーを開いた週末起業家もいます。なんなら、こういった箱モノビジネスにボーナスを投じてみるのもいいかもしれません。まさに投資ですね」(次ページへ続く)