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◆オリックス6―0西武(8日・京セラドーム大阪)最後まで表情は変わらなかった。9回2死、西武・中島を145キロのストレートで空振り三振に仕留めると、オリックス・金子千はポンとグラブを叩いた。131球を投げきったとは思えないような涼しげな笑みで、女房役の鈴木と喜び合った。
序盤から右腕のペースだった。6回に2死から連打と四球で満塁のピンチを招いたが、中島をフォークボールで三ゴロに打ち取った。リズムいい投球で西武打線に的を絞らせず3安打。2試合連続の完封劇で6勝目を挙げた。「投げたいボールが投げたいところに行った。出来過ぎです」と謙虚に振り返った。
今季は苦悩の連続だった。12球団通じて断トツの4完封も、防御率はなぜかリーグでブービーの3・90(規定投球回以上)。勝負どころで粘りきれず失点を重ねる姿に、岡田監督からエース失格の烙印(らくいん)を押されたこともしばしばだった。
投球について考える時間が増え「打たれるとどうやってかわそうかと考えていたけど、調子のいい時はそんなふうじゃなかった」と金子千。今季3勝8敗という天敵・西武相手も「言い方は悪いけど僕が打たれたわけじゃない。新しい気持ちで投げた」と、プラス思考で悪い流れを止め、貯金1をもたらした。
いつもは辛口の指揮官も「先発がゲームをつくったら試合になるよ。1シーズンで(調子の)波はあるけど、今からでも取り戻せるよ」と期待。周囲を黙らせるほどの輝きを、ここから放ってみせる。
(2010年7月9日10時36分 スポーツ報知)