【コラム】
クレバーなモーターライフ
28 車載カメラは楽しい!
2007/02/15
もうすぐそこまで春が来ている。春はツーリングの季節だ。バイクで走っていると「キレイだな」と思うシーンがよくある。かといってバイクを止めてカメラを取り出すのもおっくうだし、歩いて入れない中央車線寄りが良い風景だったりする。第一、バイク乗りが感激するのは、走行中に見たシーンであることが多いものだ。
そこで車載カメラ(ビデオ)を思いつく。走りながらビデオを回せば自分の見たシーンがすべて撮れることになる。走行ラインの勉強にも役立つし、万が一事故に遭ったら証拠として使えるかもしれない(?)。そんなわけで車載カメラを試してみることにした。
小型で便利なMPEGカメラ
実は数年前、雑誌の企画でバイクにビデオを取り付けたことがある。しかし当時はコンパクトなMPEGビデオがなく、デジタルカメラの動画機能も最長で30秒しか録画できないなど、実用には耐えないものだった。そこでMiniDVテープを使用するビデオカメラを使ったのだが、ボディがずいぶん大きく、安定して固定するのにずいぶん手間取ってしまった。とても"手軽に"とはいかなかった記憶がある。
今ではデジタルカメラの動画機能もよくなり、メディアいっぱいまで連続して録画できるものが増えてきた。データもMPEGなので、そのままパソコンに取り込める。テープとは扱いやすさがぜんぜん違うのだ。
中でも秀逸なのはサンヨーのXacti(ザクティ)シリーズだ。初期モデルのころから「動画デジカメ」と謳っているだけあって、動画機能は他に類を見ないものだ。録画中にズームしてもほとんど雑音らしい雑音は入らない。重さも軽いものは150g程度しかなく、これなら簡単に車載できるはず。
そんなわけで借り出したのはサンヨーの「DMX-CG6」。本当のところをいうと「DMX-CA6」のほうが好みのデザインだし、生活防水というのもいい。しかし残念ながら、CA6には三脚固定用のネジ穴が付いていないことが判明。海や山などでフリーハンドで撮影するのが前提のためらしいが、なんとも残念だった。ちなみにXactiシリーズ中、三脚穴がないのはCA6だけらしい。
今回使用したサンヨーのXacti「DMX-CG6」。スマート&コンパクトなボディが特徴。重さは149gしかない(本体のみ)。メディアはSDメモリーカードを使用する |
本当は、この「DMX-CA6」を使用したかった。生活防水なので雨中走行での使用は無理だが、それでも屋根がないバイク向き。残念ながら、三脚のマウントネジが付いていない…… |
DMX-CG6の底面。しっかりしたネジ穴が付いている。奥はUSB端子。マイク端子は装備しない |
クイックシューを使って簡単脱着
バイクへの取りつけはそれほど難しくはない。金具を工夫して、ハンドルやバイクのどこかに固定すればいい。重要なのは簡単に脱着できることだ。バイクを離れるときに、カメラを付けっぱなしにしてはおけない。そこで小型のクイックシューを使うことにした。これは三脚に付けて、ワンタッチでカメラを取り外せるようにするもの。プロ用のヘビーデューティなものからコンパクトカメラ用の小さなものまであるが、安いものなら2,000〜3,000円で購入できる。今回は手元にあったベルボンの「QRA-3」を使用した。
それとクイックシューの下側をバイクに取りつけるためのネジが必要になる。これも三脚穴と同じものだが、注意したいのはサイズがインチネジであること。日本ではミリネジが多く使われている。今回は、やはりカメラの三脚用のものを使用した。緩み止めのストッパーネジが付いているのもちょうどいい。カメラ用品店で数百円で手に入るはずだ。ちなみに、小型の三脚やクイックシューには、1/4インチネジが使われている。ピッチは20山(1.270mm)、直径は約6mm。単品で購入する際に間違えないように。
あとはバイクに固定するための金具と緩衝材。これはバイクや取り付ける場所で違ってくる。あれこれ工夫してほしい。今回はありあわせの部材を使ったが、恒常的に使うなら頑丈かつシンプルにまとめるべきだろう。
小型のクイックシュー、ベルボンの「QRA-3」を使用した。手元にあったものだが、あつらえたようにXactiにぴったりだった |
クイックシューの上側はカメラに常時取り付けておく。台座にはワンタッチで固定できる |
事務所にころがっていた金具あれこれ。とりあえずこれを利用してバイクに取り付けることにした。右上は緩衝材のスポンジ |
金具にクイックシューの台座を取り付けたところ。バイク側にこのように取り付ければいいいはず |
走行中には触らない。気をつけて楽しんで!
バイクへの金具の固定は15分くらいで終わった。とりあえずU字金具を使ってハンドルに取り付けたが、ついでにフロントのディスクカバーのネジにも金具を取りつけた。これは低い位置のほうが迫力が出るだろうという考えだ。ちなみに走行中(撮影中)のズームは無理。というか、あたりまえだがしてはいけない。危険だ。ズームは広角端に固定した状態で撮影することにした。
さっそく走ってみる。気持ちよくツーリングに行きたいところだが、時間もないので近所をひとっ走り。しかしこれだけでいろいろなことに気づいた。
まず、カメラは予想以上にブレるということ。特にハンドル側は金具のサイズがうまく合わなかったため緩衝材を多めに使ったのだが、そしたらこれがブレるブレる。セローは振動が多いということもあるだろうが、撮った映像を見ていると酔いそうになるほど。緩衝材は最低限、バイクを傷つけないための薄いゴム程度にしておいて、リジッドマウントに近い状態でちょうどいいだろう。もちろんギャップでは画面が揺れるが、すぐに収まるので安心して見ていられる。
それと、見事にネジが緩むこともわかった。特にフロントフォークへの設置はネジひとつだったため、1kmも走らないうちに緩んでしまった。バイクのネジ部分を利用するなら、2カ所以上へ固定し、緩み止めのワッシャーやダブルナットなど、緩まないような工夫ををしたい。ついでながら、ブレーキキャリパーなど、バイクの重要な部分のネジは利用しない。ネジが緩んだりしたら大変なことになる。
後は音。セローのアイドリングの音が耕耘機のようで悲しかった、というのは置いといて、走行中はほとんど風きり音や雑音しか聞こえない。しかも再生するとけっこううるさい。防風のスポンジなどを貼りつけるなどして、雑音を抑えたほうがいいだろう。ヘルメットにマイクを仕込んで実況を入れるのが楽しそうだが、CG6にはマイク端子がないのでそれは無理。上位のハイビジョンモデル「DMX-HD1/HD1A」ならマイク端子を装備しているのだが。
それにしてもXactiは大したものだ。風のために音が途切れるのは仕方がないとして、映像はびくともしなかった。急に暗いところに入っても真っ暗につぶれてしまうこともない。もちろん640×480ピクセル、秒30コマのフルフレーム。それで150g程度のコンパクトなボディにまとめているのだから、たいしたものだ。今回は実動数10分だったのでバッテリーは十分に持ったが、ツーリングに持って行くなら予備のバッテリー、メディアは用意したほうがいいかもしれない。
最後に注意。撮影中(走行中)は運転に集中すること。モニターをチェックしたり、操作するのは厳禁である。危険だから。くれぐれも気をつけて、ツーリングを楽しんでほしい。
サンプル動画 | |||||
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西尾 淳(WINDY Co.)
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