「ゆうパック」で発送の遅れなど約26万件 総務省、郵便事業会社からヒアリング
「ゆうパック」を使った発送の遅れなどのトラブルが、4日までに26万件発生している。お中元を扱う業者からは悲鳴が上がっている。
サクランボや夕張メロンなど、北海道の旬の味覚を全国に配達する札幌市の「あい然」は「生鮮ですからね、1日2日遅れるごとに鮮度が落ちてしまって、どうしても痛みとか出てしまいます」と語った。
日本郵政グループの「ゆうパック」は7月、ペリカン便を統合し、新たにスタートした。
しかし、4日までの4日間で、指定日に宅配物が届かないなどのトラブルがおよそ26万件発生し、混乱が拡大している。
郵便事業会社は4日、会見を開き「深くおわび申し上げます」と謝罪した。
配達が遅れた原因は、スタートが忙しいお中元シーズンになったことに加え、統合により、集荷場に複数のシステムが混在し、さらに作業員が不慣れだったことなどが原因だという。
ゆうパックのドライバーは「全然ね、支社の方で、荷物の仕分けが(できていない)。最初は混乱しちゃうのはあるんだけど、もうちょっとシミュレーションやってからね」と語った。
徳島県でスズムシを通信販売する鳴門授産センターの大杉玲子支配人は「『ちゃんと日にち指定してあるのに』と、やはりお怒りがありました。ニンジンの餌を入れていますので、1〜2日は大丈夫ですけど、暑いところに置いておかれても困るし」と語った。
さらにお中元シーズンを迎えている東京・千代田区の大丸東京店では、一部商品の配達をおよそ2,000個、ゆうパックから別の業者に切り替える作業を開始したという。
配達の遅れが完全に解消するには、数日かかるという。
このような事態になった背景について、郵便事業会社の鍋倉社長は「1カ月、50〜60億円の赤字を垂れ流すという状況だった。わたしどもとしては、できるだけ早く統合したいと」と説明した。
総務省は5日、郵便事業会社に対し、問題の経緯や、復旧のめどについてのヒアリングを行い、業務改善命令などの行政処分が必要か検討するとしている。
(07/05 18:45)