2010-06-13 01:47:58
地デジを録画してiPadでHD映像を堪能する方法
iPadが魔法のデバイスと言われるように、そのポテンシャルは計り知ることはできません。マスコミで騒がれていたのは電子書籍としての可能性ですが、映像端末としても非常に優れています。
一つは、この携帯性にして1024x768ピクセルの解像度を持っていること。またその高性能により、最大1280x720ピクセルのH.264動画ファイルをそのまま再生できることです。H.264は今後主流になると言われている動画フォーマットで、iPhoneやPS3などでは標準で再生することができます。
その特長は圧縮率の高さにあり、元映像の美しさを保ったままファイルサイズを小さくする目的では最適です。しかし、H.264ファイルは再生するにも多くのCPUリソースを必要とするため、ネットブックなどでは軽快に再生することすらできないのです。
それが、iPadの登場により、いよいよ外でもハイビジョン動画を気軽に簡単に見ることのできる時代がやって来ました。スイッチ入れてビデオを起動し再生押すだけ。この手軽さのおかげで、1分だけ時間があるので続きを見るみたいなことも可能。ネットブックなどであっても、この手軽さは実現できません。
そこで、ここでは地デジを取り込みiPadで高精細映像を楽しむ方法をご紹介します。
電気店に行くと、iPhoneやiPadへ簡単に地デジをダビングできるとうたっている製品がありますが、そのほとんどは地デジといいつつワンセグを録画する製品です。ワンセグの解像度は320x240ピクセルと、ハイビジョン画質にはほど遠い低画質で、iPadで楽しむには質が低すぎますのでご注意ください。
パソコンに地デジ動画を取り込むには大きく二つの方法があります。
1. パソコンで地デジを録画する
2. 録画機器で録画された動画をパソコンに取り込む
デメリット:録画時間はパソコンを起動しておかなければならない
パソコンで地デジを録画する機器は今やたくさんのものがあります。しかし、その多くは活用することができません。その理由は、録画された地デジの動画ファイルは暗号化されており、そのパソコンで見る目的にしか使うことができないからです。この方法では、その動画を変換してiPadに取り込むことはできません。
パソコンで編集できるように録画するには、いわゆる「無反応機」と呼ばれるもので録画する必要があります。
地デジ放送はMPEG2-TSという形式の動画が暗号化された状態で無線で流されています。しかし、暗号化されたままでは映像を見ることができません。テレビやパソコンで映像を表示するために、暗号を一度解除しなければなりません。その暗号解除に使われているのがB-CASカードなのです。なので、B-CASカードを挿していないとテレビなどは地デジ放送を見ることができないのです。
その後、パソコンに映像を保存するためには、再度映像を暗号化するのです。このため、通常はパソコンに保存された動画を別の用途に使おうとしても、暗号化されているためできません。
この、「再度暗号化する」というのは、映像が送られてくる際に同時にその命令が飛んでくるわけですが、その命令に反応しない機器ということで、「無反応機」と呼ばれるわけです。
そして、その後はB-CASカードのあり方自体にも問題視される風潮が広まり、コピー制限をかけることに対する問題提起も起こっており現在に至っています。ダビング10が登場し、地デジコピー規制が緩和されたのもこの流れの一環です。
非常に小型で、USB接続で録画でき、パソコンにも負荷がほとんどかからないため、私は一時期、ネットブックにHDUSをつなげて、超省電力地デジ録画サーバーとして運用していました。
この製品は2009年夏あたりまでどこでも売っていましたし、8000円程度の値段でしたので、かなりの数が出ていると思います。
録画環境の構築も一番手軽なので、今でもオークション等で手に入るのであれば一番オススメです。
その人気たるや、ネット予約は一瞬で埋まってしまい、店頭では予約をするための徹夜組が殺到、各ネットメディアにも散々取り上げられました。
PT2は、地デジだけでなく、BS/CSにも対応し、さらに4チャンネル同時録画ができながら2万円以下で購入できるので、現在は地デジ録画のデファクトスタンダードとなっています。
ただし、FriioやHDUSとは違いPT2自体はB-CASカードによる復号機能すら持たないため、録画環境を構築する敷居もかなり高いものとなります。
とはいえ、情報も豊富ですので、ちょっとしたスキルがあれば、知識は簡単にネットで手に入るでしょう。
メリット:今ある録画環境を活用できる
デメリット:パソコンに取り込むためにその動画の再生時間がかかる
キャプチャカードを用意すれば、今持っている録画環境をそのまま使えるため非常に手軽です。
ただし、東芝レグザなどのテレビで録画できるタイプは、ハイビジョン映像を外部出力する機能を持っていないことが多いのでご注意。
キャプチャするためには、HDMIキャプチャと、D端子キャプチャのどちらかが必要です。
GAME SWITCHのようなHDMIの暗号を解除する機器を間に入れ、IntensityやHDRECSなどのHDMIキャプチャボードを用意する必要がありますが、どれも高価です。
とは言え、私の経験上、D端子の映像はHDMIと遜色ありません。アナログ信号なので、HDMIのように制限が厳しかったり機器が高いということもないので、私は未だAV機器は全てD端子で接続しています。
D端子キャプチャボードは、アースソフトのPV3/PV4が最も人気がありましたが、現在は発売していません。今であればMonsterXなどが安価で実績があるでしょう。
エンコード用のツールも今は色々出ていますが、私のオススメするのはXMedia Recodeです。これのすばらしいのは、様々な端末用のプロファイルが事前に用意されていて、数クリックで目的のエンコードが行えることです。
取り込み動画形式、出力動画形式共に様々なものに対応しています。iPad用プロファイルも既に用意されており、数クリックでエンコードすることができます。
後は、「リストに追加」をし、最後に「エンコード」でH.264の動画ファイルを作成できます。エンコードは中々の時間がかかりますので、エンコードしたいものを全部登録しておいて、寝ている間などに動かしておくとよいでしょう。
「ムービー」を選択し、エンコードした動画ファイルをドラッグ&ドロップすればiPadに転送されます。
解像度も、もはやDVD(720x480ピクセル)を超えており、エンコードの手間があるとはいえ、見る時間がなくて積まれてしまっているDVDなんかもiPadに放り込み、ちょっとした合間に見るとよいでしょう。
私も、とりあえず見ていない映画はiPadに入れておき、コツコツと見ています。
おかげで、32GBだろうが64GBだろうが容量が足りなくて困るのが悩みどころですが(笑)。
一つは、この携帯性にして1024x768ピクセルの解像度を持っていること。またその高性能により、最大1280x720ピクセルのH.264動画ファイルをそのまま再生できることです。H.264は今後主流になると言われている動画フォーマットで、iPhoneやPS3などでは標準で再生することができます。
その特長は圧縮率の高さにあり、元映像の美しさを保ったままファイルサイズを小さくする目的では最適です。しかし、H.264ファイルは再生するにも多くのCPUリソースを必要とするため、ネットブックなどでは軽快に再生することすらできないのです。
それが、iPadの登場により、いよいよ外でもハイビジョン動画を気軽に簡単に見ることのできる時代がやって来ました。スイッチ入れてビデオを起動し再生押すだけ。この手軽さのおかげで、1分だけ時間があるので続きを見るみたいなことも可能。ネットブックなどであっても、この手軽さは実現できません。
そこで、ここでは地デジを取り込みiPadで高精細映像を楽しむ方法をご紹介します。
■地デジをパソコンに取り込む
iPadに動画を転送するためには、まずは元動画をパソコンに取り込む必要があります。ここで紹介するのは、地デジ放送をそのままの解像度でパソコンに保存する方法です。地デジは通常1440x1080ピクセル(番組によっては1920x1080のフルHD)の解像度で放送されています。電気店に行くと、iPhoneやiPadへ簡単に地デジをダビングできるとうたっている製品がありますが、そのほとんどは地デジといいつつワンセグを録画する製品です。ワンセグの解像度は320x240ピクセルと、ハイビジョン画質にはほど遠い低画質で、iPadで楽しむには質が低すぎますのでご注意ください。
パソコンに地デジ動画を取り込むには大きく二つの方法があります。
1. パソコンで地デジを録画する
2. 録画機器で録画された動画をパソコンに取り込む
■1. パソコンで地デジを録画する
メリット:地デジ放送を無劣化でパソコンに取り込むことができるデメリット:録画時間はパソコンを起動しておかなければならない
パソコンで地デジを録画する機器は今やたくさんのものがあります。しかし、その多くは活用することができません。その理由は、録画された地デジの動画ファイルは暗号化されており、そのパソコンで見る目的にしか使うことができないからです。この方法では、その動画を変換してiPadに取り込むことはできません。
パソコンで編集できるように録画するには、いわゆる「無反応機」と呼ばれるもので録画する必要があります。
地デジ放送はMPEG2-TSという形式の動画が暗号化された状態で無線で流されています。しかし、暗号化されたままでは映像を見ることができません。テレビやパソコンで映像を表示するために、暗号を一度解除しなければなりません。その暗号解除に使われているのがB-CASカードなのです。なので、B-CASカードを挿していないとテレビなどは地デジ放送を見ることができないのです。
その後、パソコンに映像を保存するためには、再度映像を暗号化するのです。このため、通常はパソコンに保存された動画を別の用途に使おうとしても、暗号化されているためできません。
この、「再度暗号化する」というのは、映像が送られてくる際に同時にその命令が飛んでくるわけですが、その命令に反応しない機器ということで、「無反応機」と呼ばれるわけです。
■Friio
初めて世の中に無反応機として登場したのは、2007年に発売されたFriioでした。これは、当時地デジを無劣化でパソコンに取り込めるとして非常に話題になりました。同時に、非常に問題となりました。パソコンに無劣化で取り込めるとなれば、無劣化コピーも容易で、コピーワンスなどによるコピー制限が無意味になるからです。しかし、この機器は暗号を違法に解除するのではなく、暗号化しろという命令を単に無視するというだけであったため、法的には取り締まることができませんでした。そして、その後はB-CASカードのあり方自体にも問題視される風潮が広まり、コピー制限をかけることに対する問題提起も起こっており現在に至っています。ダビング10が登場し、地デジコピー規制が緩和されたのもこの流れの一環です。
Friio デジタルハイビジョンテレビ アダプター
posted with amazlet
at 10.06.13
Friio
売り上げランキング: 18536
売り上げランキング: 18536
■MonsterTV HDUS
2008年には、MonsterTV HDUSが非常に話題になりました。この製品は無反応機ではなかったのですが、ドライバを書き換えるだけでローカル暗号化処理を飛ばし、復号されたMPEG2-TSを取り込むことができたのです。非常に小型で、USB接続で録画でき、パソコンにも負荷がほとんどかからないため、私は一時期、ネットブックにHDUSをつなげて、超省電力地デジ録画サーバーとして運用していました。
この製品は2009年夏あたりまでどこでも売っていましたし、8000円程度の値段でしたので、かなりの数が出ていると思います。
録画環境の構築も一番手軽なので、今でもオークション等で手に入るのであれば一番オススメです。
エスケイネット MonsterTV HDUS SK-MTVHDUSF
posted with amazlet
at 10.06.13
エスケイネット
売り上げランキング: 43405
売り上げランキング: 43405
■アースソフト PT1/PT2
2009年に入り異様なほどの人気を得たのが2008年に発売されたPT1の後継のPT2です。その人気たるや、ネット予約は一瞬で埋まってしまい、店頭では予約をするための徹夜組が殺到、各ネットメディアにも散々取り上げられました。
PT2は、地デジだけでなく、BS/CSにも対応し、さらに4チャンネル同時録画ができながら2万円以下で購入できるので、現在は地デジ録画のデファクトスタンダードとなっています。
ただし、FriioやHDUSとは違いPT2自体はB-CASカードによる復号機能すら持たないため、録画環境を構築する敷居もかなり高いものとなります。
とはいえ、情報も豊富ですので、ちょっとしたスキルがあれば、知識は簡単にネットで手に入るでしょう。
■2. 録画機器で録画された動画をパソコンに取り込む
次は、HDDレコーダやPS3 torneなどで録画した映像をパソコンでキャプチャする方法です。メリット:今ある録画環境を活用できる
デメリット:パソコンに取り込むためにその動画の再生時間がかかる
キャプチャカードを用意すれば、今持っている録画環境をそのまま使えるため非常に手軽です。
ただし、東芝レグザなどのテレビで録画できるタイプは、ハイビジョン映像を外部出力する機能を持っていないことが多いのでご注意。
キャプチャするためには、HDMIキャプチャと、D端子キャプチャのどちらかが必要です。
■HDMIキャプチャ
デジタル信号でキャプチャするため、ほぼ無劣化でのキャプチャが可能です。ただし、HDMIは暗号化されて信号が送られるので、キャプチャ環境を用意するのは大変です。GAME SWITCHのようなHDMIの暗号を解除する機器を間に入れ、IntensityやHDRECSなどのHDMIキャプチャボードを用意する必要がありますが、どれも高価です。
ハイパーツールズ Game Switch PS3-S201A
posted with amazlet
at 10.06.13
ハイパーツールズ (2007-06-04)
売り上げランキング: 2038
売り上げランキング: 2038
Blackmagic Design INTENSITY Pro
posted with amazlet
at 10.06.13
Blackmagic Design
売り上げランキング: 12485
売り上げランキング: 12485
Canopus HDRECS
posted with amazlet
at 10.06.13
カノープス (2007-07-26)
売り上げランキング: 9709
売り上げランキング: 9709
■D端子キャプチャ
ハイビジョン映像をアナログ信号でキャプチャします。その名前から勘違いされやすいですが、D端子に流れる信号はアナログです。とは言え、私の経験上、D端子の映像はHDMIと遜色ありません。アナログ信号なので、HDMIのように制限が厳しかったり機器が高いということもないので、私は未だAV機器は全てD端子で接続しています。
D端子キャプチャボードは、アースソフトのPV3/PV4が最も人気がありましたが、現在は発売していません。今であればMonsterXなどが安価で実績があるでしょう。
■取り込んだ動画をエンコードする
さて、パソコンに地デジ番組を取り込んだ後は、そのファイルをH.264へと変換します。この処理をエンコードと呼びます。エンコード用のツールも今は色々出ていますが、私のオススメするのはXMedia Recodeです。これのすばらしいのは、様々な端末用のプロファイルが事前に用意されていて、数クリックで目的のエンコードが行えることです。
取り込み動画形式、出力動画形式共に様々なものに対応しています。iPad用プロファイルも既に用意されており、数クリックでエンコードすることができます。
後は、「リストに追加」をし、最後に「エンコード」でH.264の動画ファイルを作成できます。エンコードは中々の時間がかかりますので、エンコードしたいものを全部登録しておいて、寝ている間などに動かしておくとよいでしょう。
■エンコードしたファイルをiPadへ転送する
これは、iPadユーザーには説明するまでもないことですが、iPadをパソコンへ接続し、iTunesを使って「ムービー」へと動画を登録します。「ムービー」を選択し、エンコードした動画ファイルをドラッグ&ドロップすればiPadに転送されます。
■iPadの再生能力
とにかく美しいの一言。携帯端末でHDサイズのH.264がここまで快適に見られる時代が来るとは感激です。解像度も、もはやDVD(720x480ピクセル)を超えており、エンコードの手間があるとはいえ、見る時間がなくて積まれてしまっているDVDなんかもiPadに放り込み、ちょっとした合間に見るとよいでしょう。
私も、とりあえず見ていない映画はiPadに入れておき、コツコツと見ています。
おかげで、32GBだろうが64GBだろうが容量が足りなくて困るのが悩みどころですが(笑)。