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県境、一般車両も消毒 九州各県

(2010年5月15日付)

 本県で口蹄疫の感染・感染疑いが相次いでいることを受け、九州各県が本格的な防疫対策に乗り出している。開催予定だった競り市は軒並み中止か延期。鹿児島県は畜産関係車両だけでなく一般車両を含むすべての車を対象に消毒を開始するなど、各県とも水際対策に必死になっている。

 鹿児島、熊本、大分、長崎、佐賀県の家畜市場では、5月中(佐賀は16日まで)の競り市がすべて中止か延期。県ブランド「佐賀牛」となる子牛の15%が宮崎産という佐賀県畜産課の田島浩和副課長は「肥育農家が子牛を購入できない。今はさほど影響はないが、長引けば農家の収入が途絶える」と懸念する。

 牛や豚の健康管理にも余念がない。長崎県は3月1日以降、本県から子牛などの家畜450頭前後を導入したことを確認。さらに、各農家から相談を受けた同県家畜保健衛生所の獣医師が、その家畜について「(感染疑いを)否定できない」と判断した場合、動物衛生研究所海外病研究施設(東京)に検体を送っている。

 本県と隣接する3県は消毒ポイントを強化している。鹿児島県は20カ所の消毒ポイント(県7、自主13)を設置。このうち本県との県境など4カ所(県3、自主1)では、消毒液を染み込ませたマットを敷き、一般車両を含むすべての車が徐行で行き来している。熊本県でも移動・搬出制限区域周辺に消毒ポイント9カ所がある。大分県は、同県内の食肉処理場を本県業者が利用していることや、輸送トラックが大分と本県を行き来することから、消毒ポイント2カ所を設けた。

 ほかにも、農業団体を通じて各農家に消毒薬を配布している福岡県のように、農場や畜舎への消毒を呼び掛けている県は多く「市場で消毒薬が不足しているようだ」(長崎県)との声もあった。

 家畜を積載した船の出入りがある県内9港で、全車両用に消毒マットを敷いている長崎県畜産課の松本信助課長は「同じ畜産県なので宮崎には同情する」と言葉少な。一方で「農家は南九州からの人、車の流入に敏感になっている。ある程度移動を制限しないと長崎の畜産は守れない、という声も出ている」と実情を語った。