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被害農家元気づけたい 宮大農学部生が支援活動
(2010年5月13日付)
口蹄疫で打撃を受けた農家にエールを―。宮崎大学農学部の学生25人は12日、感染・感染疑いで家畜を殺処分する農家が一刻も早く再起できるよう、同大学キャンパスで国に対策を求めるための署名活動を始めた。同時に農家を支援する募金も呼び掛け。企画した学生は「疲労感が増している農家を元気づけたい」と、今後もキャンパス内で共感の輪を広げていく。
発起人は同学部食料生産科学科3年の中村陽芳はるかさん(20)。熊本県の実家は和牛の繁殖農家で、「子どものように大切に育ててきた牛や豚を目の前で殺処分される農家の気持ちは計り知れない。直接は支援できないが、何か行動せずにはいられなかった」と、きっかけを語る。大型連休明けに同学科の先輩や友人などに署名活動について相談すると、多くが賛同してくれた。同日は「予想以上に多かった」という25人が参加。昼休みに学生食堂前で「口蹄疫で被害に遭われた農家さんのために」と声をからした結果、約1時間で署名647人分と募金4万3千円が集まった。
学生らは署名活動とともに、拡大防止のため発生地に近づかないよう求めるチラシを配布。「農家が困っている今こそ」と牛肉や豚肉の消費拡大も呼び掛けた。また、地域経済にも深刻な影響を与えることから、県民が危機意識を共有して対応する必要性も訴えた。
この日署名した同大獣医学科6年の牟田佳那子さん(23)は早速、署名用紙をコピーし、同学科内で署名を集めることを約束。「畜産にかかわる者として人ごととは思えない。地元出身なので畜産県である宮崎が疲弊するのは見たくない」と話していた。
署名は赤松広隆農相あてに、募金は県畜産課を通して被害を受けた農家の支援に使ってもらう。署名活動と募金は今週いっぱい続けるという。
【写真】口蹄疫被害を受けた農家を励まそうと署名や募金を集める宮崎大学農学部の学生=12日午後、同大学