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新たに8例1万4212頭 川南で感染疑い

(2010年5月8日付)

 県は7日夜、川南町で飼育されている牛と豚に口蹄疫の感染疑いを計8例、新たに確認したと発表した。今回確認されたのは肉用牛繁殖3、養豚4、酪農肉用牛複合経営1農場で、合わせて1万4212頭を飼育。すべて殺処分となる。これまでの感染・感染疑いは計43例、殺処分の対象家畜は計5万9104頭となった。うち同町だけで39例となり、殺処分対象は町内の飼育総数の4割弱に相当する5万8449頭に上る。家畜の移動・搬出制限区域の追加設定はない。

 県口蹄疫防疫対策本部(本部長・東国原知事)によると、各農場から「口蹄疫の症状を示している」と通報が6日にあり、検体を動物衛生研究所海外病研究施設(東京)で検査し、感染疑いを示す陽性反応を7日に確認した。

 うち1農場は、南西に約8キロ離れた場所に関連農場(同町)があり、豚約1200頭を飼育。症状は見られないが、管理者が同一のため、農林水産省が定める口蹄疫の防疫指針に基づき殺処分を行うことに決めた。

 同日までに家畜の殺処分や埋却、畜舎の消毒などの防疫措置を終えたのは43例中18例だけ。感染疑いの確認は、この3日間で24例に上り、県畜産課は「うち22例は埋却地選定中で、19例は試掘のめどがついた。急速に件数が増えて、埋却の態勢づくりが後手に回っている」と苦慮している。

 また、同課は「発生の仕方から空気感染とは考えにくく、感染経路は人や物の行き来による可能性が高い。発生は移動・搬出制限区域の中に収まっており、封じ込めには成功している」として、従来の防疫手法は変えない方針。