イラクでアメリカ軍の攻撃用ヘリコプターが多くの民間人を攻撃して殺害する様子を映した映像を市民団体が公開して告発した問題で、アメリカ軍は、この映像を提供したとされる陸軍の兵士を軍の機密映像を漏えいした罪などで訴追しました。
問題の映像は、3年前の2007年7月、イラクのバグダッド近郊で、アメリカ軍の攻撃用ヘリコプターが、通りに集まっていた人たちを上空から機関砲で攻撃する様子を撮影したもので、この攻撃でロイター通信のカメラマンを含む民間人十数人が死亡したものとみられています。この映像は、非公開の情報を独自に入手して公開している市民団体「ウィキリークス」のインターネットサイトに、ことし4月に公開され、これをきっかけにアメリカ軍への批判が集まり、国防総省は「誤射」だったことを認めました。この映像に関連して、アメリカ軍は6日、イラクで情報分析を担当していた陸軍のブラッドリー・マニング上等兵(22)を軍の機密映像を漏えいしたなどの罪で訴追し、近く軍法会議にかけるかどうか判断すると発表しました。アメリカ軍は先月、アフガニスタンに駐留する司令官が雑誌の取材で政権を批判して解任されたばかりで、今回の訴追は、当局が軍人の情報管理に神経をとがらせていることをうかがわせています。