普天間、「政治とカネ」どこへ?
参院選、低調論議に不満の声
終盤戦に入った参院選(11日投開票)で消費税増税が争点化する中、米軍普天間飛行場移設や「政治とカネ」、雇用といった重要問題に関する論議は低調だ。そんな状況に湖国の関係者から不安や不満の声が上がっている。
■消費税増税が争点化、陰に隠れ
「普天間問題をうやむやにし、辺野古への移設を強行するのではないか」。琉球の歴史や文化を学ぶ「いちゃり場・沖縄会」代表で、沖縄出身の高間エツ子さん(59)=湖南市=は疑念を抱く。
「最低でも県外移設」を掲げた鳩山由紀夫前政権は普天間問題で迷走した末、移設先を名護市辺野古とする日米共同声明を出した。現政権も声明を踏襲する方針を示す。高間さんは「また裏切られたという気持ち」と語気を強め「普天間は沖縄だけの問題ではない。選挙では日本が今後どう歩むのかが問われている。見て見ぬふりをしないで」と求める。
鳩山前首相と小沢一郎前民主党幹事長の「政治とカネ」問題が政治不信を増幅させ、参院選公示前には現職閣僚の事務所費問題も持ち上がった。滋賀県市民オンブズマン代表の浅井秀明さん(61)=日野町=は「政治家は公金の使い道をチェックするのが仕事。金銭に対する透明性を高めるべき」と強調。「国民の信頼を得るため、しっかり説明し、責任を果たしてほしい」と話す。
5月の完全失業率は5・2%と3カ月連続で悪化。近畿2府4県は5・8%で雇用情勢は依然として厳しい。滋賀県の有効求人倍率は0・48倍と近畿で最低の水準だ。ハローワーク大津に通っている30代男性は「職が見つからない。消費税増税よりも雇用の確保や創出を何とかして」と疲れたような声で話した。
【 2010年07月06日 22時54分 】