林原自然科学博物館(岡山市北区)は、モンゴルのゴビ砂漠で、白亜紀後期に属する約7500万〜7千万年前の地層から1997年に発見された鳥類化石が、現在の鳥類の祖先のグループの新種とわかったと発表した。飛べるが主に陸上を走り回るという初めてのタイプ。同博物館は「現在の鳥類が、水辺の鳥だけでなく内陸の鳥から進化した可能性を示唆するもの。鳥の進化を解明するうえで非常に重要だ」としている。
化石は鳥類の脚の部分。関節や指の付け根の形状から新種とわかり、「ホランダ・ルセリア」と命名された。骨の長さなどから、飛ぶことはできるが、地上を走り回るタイプであることがわかったという。
現在の鳥類の祖先にあたる白亜紀の鳥類は、これまでに31種がわかっており、うち24種が水辺の地層から出土している。一方、内陸部で見つかった鳥類は過去5種だけで、飛べずに走り回るか、飛ぶのが主などのタイプだった。(上田真美)