裁判員裁判で無罪 検察が控訴
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裁判員裁判で無罪 検察が控訴

7月5日 18時24分

海外から覚せい剤を持ち込もうとした罪に問われ、裁判員裁判としては全国で初めて全面的に無罪の判決を受けた会社役員について、千葉地方検察庁は「事実の認定に認められない点がある」として控訴しました。裁判員裁判で検察が控訴するのは初めてです。

神奈川県相模原市の会社役員、安西喜久夫被告(59)は、去年、およそ1キロの覚せい剤をチョコレートの缶に入れてマレーシアから成田空港に持ち込もうとしたとして、覚せい剤取締法違反などの罪で起訴されました。裁判員が参加して行われた裁判で千葉地方裁判所は先月22日、「被告が、覚せい剤が缶に隠されていることを知っていたとまでは言えない」として、裁判員裁判としては全国で初めて全面的に無罪を言い渡しました。これについて、千葉地方検察庁は「事実の認定に認められない点があり、東京高等検察庁とも協議したうえで控訴すべきだという判断に至った」として、5日東京高等裁判所に控訴したことを明らかにしました。裁判員裁判で検察が控訴するのは初めてです。千葉地方検察庁の山田賀規次席検事は「裁判員裁判で無罪となったことを厳粛に受け止め、裁判員の努力と判断には深い敬意を払いつつ、検察としては事実の認定について、さらに判断を求めたい」と話しています。