仙台市にあった診療所で、点滴に筋しかん剤を入れて、患者を殺害した罪などに問われ、無期懲役が確定した元准看護師の弁護団が、「捜査や鑑定には、科学的な裏付けがない」として、再審=裁判のやり直しを求める方針を決めました。
仙台市泉区にあった「北陵クリニック」の准看護師だった守大助受刑者(39)は、平成12年に、入院患者の点滴に筋しかん剤を入れて、89歳の女性を殺害した罪や幼い子どもなど4人を殺害しようとした罪に問われました。守受刑者は、「事件は、警察のでっちあげだ」として、全面的に無罪を主張しましたが、おととし、最高裁判所で無期懲役が確定しました。これについて、守受刑者の弁護団は「患者の容体が急変したのは、病気などのためで、捜査や鑑定には科学的な裏付けがない」として、早ければ来月にも仙台地方裁判所に再審=裁判のやり直しを求める方針を決めました。再審請求では、被害者の1人で、今も意識が戻っていない21歳の女性について「当時、容体が急変したのは、筋しかん剤ではなく持病が原因とみられる」とする医師の診断書を新たな証拠として提出するということです。弁護団の阿部泰雄弁護士は「再審で真実が明らかになることを願っている」と話しています。