ペンキ職人・大和が初代王者「ボク色に染める」…Ｋ―１ＭＡＸ

　◆Ｋ―１ワールドＭＡＸ　▽６３キロ級トーナメント決勝　○大和哲也（３回１分２６秒　ＫＯ）久保優太●（５日、東京・国立代々木競技場第一体育館）　新設された６３キロ以下級日本トーナメントは決勝で大和哲也（２２）＝大和ジム＝が久保優太（２２）＝アンリミテッドジム＝に３回ＫＯ勝ちし、初代王者に輝いた。７０キロ以下級世界トーナメントも開幕し、初出場の長島☆自演乙☆雄一郎（２５）＝魁塾＝、０８年３位の佐藤嘉洋（２９）＝名古屋ＪＫファクトリー＝が準々決勝に進んだ。

　剛腕がうなった。３回。大和が久保に襲いかかった。右ストレートで最初のダウンを奪い、最後はカウンターの左フックで仕留めた。初戦からの３試合すべてを左フックでＫＯ勝ち。「全部ＫＯできて盛り上げられたと思う。自分にとっても収穫だった」と、安どの笑みを浮かべた。

　初の晴れ舞台。ＮＪＫＦライト級王者に輝くなどキックボクシングで活躍してきたが、それだけでは生計が成り立たない。ペンキ塗りのアルバイトをしながら練習を続け、朝５時半に起床し１時間のロードワーク。午前８時から午後５時まで仕事をこなしてから３、４時間の練習という日々を週６日。「足場の悪い所で塗るからバランスが養われます。強くなっても仕事は続けたい。いろんな人とのかかわりができますから」。王者になってもハケは手放さないつもりだ。

　６３キロ以下の軽量級とあって、Ｋ―１に縁がなかった選手も新階級のスタートでスポットライトが当たるようになった。「ボクの色でＫ―１を染めていきたい」。“剛腕ペンキ職人”が新しい色を注ぎ込んだ。