参議院選挙の争点の1つ「子ども手当」は今月、1回目の手当が支給されましたが、菅政権は来年度の支給のあり方について、見直す方針を明らかにしています。
福岡選挙区の立候補者が、子ども手当について選挙戦でどのように訴えているのか、取材しました。
民主党政権の目玉政策の1つ・子ども手当。
菅直人総理は、去年の衆院選のマニフェストで掲げていた、1人当たり月額2万6,000円の満額を来年度、現金では支給しない方針を打ち出していますが、民主党現職の大久保勉氏は有権者からの反発はないと自信を見せています。
●民主党・大久保勉候補
「(2万6,000円支給しないことへの反発は)ほとんど聞かないですね。もともとゼロだったのを子ども、子育てに対して支援するというのが今の政府ですから。さらに追加として(保育の充実などを)どうしましょうかという話です」
無所属で民主と社民の推薦を受ける堤要氏は、現在の現金給付に全面的に賛同しているわけではありません。
●無所属(民主・社民推薦)堤要候補
「現物給付があって、それができて、余裕があれば、財政の再建が進んだあとに余裕があれば、子ども手当てということではないかと思います」
一方、連立を組む与党・国民新党から立候補した吉村剛太郎氏は、子ども手当が消費に回れば経済の活性化になると評価していますが、所得制限をすべきだったとの考えを示しています。
●国民新党・吉村剛太郎候補
「学校のクラスでこの子は児童手当を貰っている。この子はもらっていない。これもまた教育的に悩みはあるが、これは政治が決断して、この財政状況であれば、僕は所得制限入れても良かったと思う」
これに対し、野党側は揃って子ども手当を厳しく批判しています。
●共産党・篠田清候補
「子どもさんを預けられる保育所をつくるとか、そういうところにしっかりお金を出すべきで、優先順位を間違えているのではないか。そういうところに出してこそ、働いているお母さんや子ども達にも役立っていく。一部バラまき的なやり方は正しくない」
●自民党・大家敏志候補
「子ども手当自体が少し無理があると思ってましたので、僕は半額というのは、しっかり国民に説明すべきだと思います。現金給付というのは良くないと思います。いろんな問題が出ていますね。義務教育を完全無料化するという主張です」
●諸派(幸福実現党)・吉冨和枝候補
「選挙目当てのマニフェスト、選挙目当てのために、7月の選挙のために2か月分さかのぼって、2回分ですね、そこに対して私は憤りを感じています。子ども手当ては財源もありません。反対しています」
みんなの党は、「民主党政権が事業仕分けで無駄を省き、財源を確保するとしていたのに、改革が不十分だ」と批判しています。
●みんなの党・佐藤正夫候補
「公務員制度改革で、2割削減すると5.4兆円なんですよ。子ども手当が2万6,000円だと、5.4兆円なんですね。おそらくそれを財源にしたいんだと思います。しかし公務員制度改革を出来なかった。出来ない理由ありますよね。選挙で応援いただいていますから、それで急遽、財源がなくなったということじゃないですか」
本年度から、月額1万3,000円が支給されるようになった子ども手当て。
来年度以降はどのような形が理想的なのか、有権者に聞きました。
●有権者
「現金がほしいですけど、いろいろ考えると、福祉とかを充実してもらったほうがいいのではないか」
「半分は旅行などに使って、あとは貯蓄や習い事にまわせるから、2万6,000円もらえるとうれしい」
福岡市内で有権者50人に聞いたところ、児童福祉の充実を求める人より、額に関わらず現金を望む人がやや上回りました。
参議院選挙の投票日まであと11日。
争点の一つ、子ども手当は、生活に身近なテーマだけに、多くの有権者が各政党、各候補者の主張の違いに着目しています。