“郵政”“政権選択”そして今回有権者は
“郵政”“政権選択”そして今回有権者は 06/25 19:45

今回の参議院選挙は政権交代後、初の本格的な国政選挙です。

5年前の「郵政選挙」では自民党が大勝し、去年の「政権選択選挙」では一転して民主党が圧勝しましたが、その原動力となったのは無党派層です。

今回の選挙で無党派層は、何を指標にして投票するのでしょうか、福岡で取材しました。

●2005年の総選挙で自民党に投票した有権者
「あの時はやっぱり自由民主党だったと思うんですが、あの時は深く考えずに周りの雰囲気でという感じですね。」(男性)
「小泉さんかっこよかったから」(女性)

郵政民営化が争点になった2005年の総選挙。

●05年の総選挙で遊説する小泉純一郎総理大臣(当時)
「この郵政民営化を最大の争点にして闘っている」

小泉旋風が吹き荒れて無党派層の支持を集め、福岡では11選挙区中、自民党公認の候補が9選挙区を制しました。

ただその後、小泉氏は辞任。

跡を継いだ安倍晋三氏から福田康夫氏、麻生太郎氏とわずか1年で総理大臣が交代する事態が続き、自民党に投票した有権者の不満が高まりました。

●2005年の総選挙で自民党に投票した有権者
「一時は、少しは期待していたんだけど、意外と段々と進んでいくうちにがっくりした」(男性)
「日本の政治が三流だなということを身にしみて思いました」(女性)

●09年の総選挙で街頭演説する民主党代表・鳩山由紀夫(当時)
「国民の皆さんによる、国民の皆さんのためのそんな政権を作り出していくことしかない」

去年の総選挙では一転、「政権交代」の風が吹き荒れ、民主党が歴史的な勝利を収めました。

●09年の総選挙で民主党に投票した人
「やっぱり期待感じゃないですかね」(30代男性)
「民主党にかけました。それまで自民党に入れていたんですけど、変わったらと」(30代女性)
「ムードとして自民党は飽きたからですね」(60代男性)

ところが、民主党の鳩山由紀夫前総理はわずか9か月で辞任しました。

去年の衆院選で民主党に投票した無党派層の間には今、失望と期待の両方が渦巻いているようです。

●09年の総選挙で民主党に投票した人
「結局考えたら、大して変わらない。どこにしても同じ」(60代女性)
「事業仕分けとか、積極的に携わっているところは評価できる」(女性)
「これだけ無駄をなくしました、だから消費税を上げますと言えばいいのに、自民党に相乗りして10パーセントに上げますというのは、ちょっと菅さんも頼りない」(男性)

ここ数年、選挙の結果は無党派層の動向に大きく左右されてきました。

今回の参議院選挙ではどのような風が吹くのでしょうか。

JNNが今月、実施した世論調査では、支持政党のない無党派層は4割近くいます。

●毎日新聞・岸井成格氏
「自民党にも愛想尽きたまんまだけど、民主党何やってんだ、期待したのにという、どこへ票を入れていいかわからなくなってしまうんだよね。そんな無党派層が増加していって、投票行動を迷うときに、必ず受け皿が生まれる」

どの政党が今回の参院選で無党派層の受け皿となれるのか?支持政党がない有権者に投票する際に重視することを尋ねました。

●街頭インタ・参院選で重視することは?
「雇用問題をちゃんとしてくれる政党が良い」(30代女性)
「あまり無駄遣いをしない。大事なところにお金をかけてくれていないので」(20代子連れ女性)
「少しでも暮らしやすくなる、みんながですね」(50代女性)
「昔のように戻って欲しくない。今までとちょっと違った方が良いですね」(30代男性)

選挙戦に突入し「政治とカネ」、「普天間移設」の問題は消費税の増税をめぐる各政党の舌戦の陰に隠れた感もあります。

今回の参院選でも、無党派層の投票行動が選挙結果を大きく左右するとみられていますが、過去2回の衆院選でムードに流されてしまったと後悔している有権者は、各政党、候補者の主張を見極めることが大切です。