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(2010年4月22日付)
川南町で口蹄疫の疑いがある牛が確認された21日、町内にはショックと不安が広がった。70代男性は「こんなに早く感染(疑い)が広がるとは」と驚きを隠さず、「自分たちでできるのは消毒くらい」と話し、牛舎から玄関まで消石灰をまいていた。
別の70代男性も「衝撃を受けた。感染の疑いが出た農家の方はショックを受けているだろうし、今後の風評被害も心配だ」と表情を曇らせた。
約70頭の牛を飼育する60代男性は「前回(2000年)発生したときは半年間収入がなかった。今月6頭の子牛を出荷する予定だったので、支払いが厳しい」などと明かし、畜産関係団体の救済措置や行政の支援を切望する。
感染が疑われる農場の牛舎につながる道はすべて封鎖され、牛舎周辺では防護服を着た約20人が消毒に当たるなど緊張感に包まれた。時折、牛の鳴き声がする中、肩を落とした農場の男性が飼料やふんの処理を黙々と行っていた。
また、牛を殺処分後に埋めるため、牛舎付近の農地を重機で掘り起こしたが、大量の水が発生して断念。別の場所を探し22日以降に作業する。
同日は、本県関係の民主党系と自民党の国会議員がそれぞれ県庁を訪れ、東国原知事と意見交換。川南、都農町の対策本部に足を運んだ。
東国原知事は民主党系の議員に対し「不可抗力で災害に近い。特例で国の予算を付けてもらうとありがたい」、自民党議員にも「無利子の貸し付けなどの支援をやっていただきたい」と要望。双方の議員は協力を約束していた。