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(2010年4月21日付)
■明確な役割分担で対応 県過去の経験生かす口蹄(こうてい)疫に感染した疑いのある牛3頭が確認された20日、県担当者や関係団体は早朝から会議や記者会見など対応に追われた。防疫態勢の核となる県は、10年前の口蹄疫やその後の鳥インフルエンザ発生などの経験から、「2000年とは違う。今回は最悪のシナリオを想定して動いた」と初動態勢に自信ものぞかせた。
農林水産省から県に感染疑いの第一報が届いて約4時間半後の午前9時半。東国原知事や高島俊一農政水産部長ら幹部が厳しい表情で緊急会見に臨んだ。
宮崎市、児湯地区、東諸県地区を管轄する宮崎家畜保健衛生所で緊急の防疫対策会議を開催。中田雄二管理飼育課長は「徹底した追跡調査をする。風評被害を避けるためにも、一日も早い清浄化を目指したい」と早期の防疫を呼び掛けた。その後、県が畜産団体や食肉関係者を県庁に集めた対策会議では、家畜の移動や搬出の制限に関して相次ぐ質問に担当者が対応した。
県は1月下旬、韓国で牛の口蹄疫が発生していたことや、本県での発生10年ということもあり、緊急の家畜防疫会議を開いたばかりだった。今回は03年に整備した「口蹄疫防疫マニュアル」に基づき防疫体制を確認。当時とは、組織が一部変わったが、07年策定の「高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアル」も参考に対応に当たっている。
20日夕の会見で、押川延夫農政水産部次長らが経過を説明。押川次長は「右も左も分からなかった前回とは違い、鳥フルの経験もある。誰が何をやるかの役割分担がはっきりしている」と強調した。
移動制限区域内にあるミヤチク都農工場の閉鎖を受け、同社高崎工場で搬出制限区域外の出荷分を処理できないか、JA宮崎経済連とミヤチクは協議を続けている。同経済連の長友和美畜産担当参事は「出荷されている肉は安全。こういう状況だからこそ、県民には消費という形で農家を支えてもらいたい」と話していた。
【写真】口蹄疫に感染した疑いのある牛を確認したと発表する東国原知事=20日午前、県庁・記者室