＜仙台筋弛緩剤事件＞弁護団が再審請求へ　医師の意見書提出

　仙台市の北陵クリニック（閉院）で００年に起きた筋弛緩（しかん）剤混入点滴事件で、殺人や殺人未遂罪で無期懲役が確定した元准看護師、守大助受刑者（３９）の弁護団が夏にも、仙台地裁に再審請求することが７日分かった。被害者の容体急変の理由は「持病の悪化」などとする医師の意見書を新証拠として提出し、「守受刑者が投与した筋弛緩剤による中毒」と認定した確定判決は誤りと主張する方針。

　弁護団によると、被害を受けた患者５人のうち、当時１１歳で今も意識不明の女性（２１）に関し意見書は「嘔吐（おうと）や全身けいれんなどの症状は、持病で難病のミトコンドリア脳筋症が急激に悪化したため」と指摘。他の４人についても「筋弛緩剤を検出したとの鑑定は誤り」として、全面無罪を主張する方針。阿部泰雄弁護団長は「女性に筋弛緩の症状はなかった。秋までには再審請求したい」と話した。

　守受刑者は一貫して「事件はでっちあげ」と無罪を主張、急変の理由が争点となり、１審・仙台地裁は０４年３月「守受刑者が点滴に混入させた筋弛緩剤」と認めて無期懲役を言い渡し、０８年３月に最高裁で確定した。【須藤唯哉】

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