オーストラリアのギラード首相は、急増している密航船を使った不法難民の対策を強化するため、隣国の東ティモールに難民認定の審査手続きを行う施設を設置する構想を明らかにしました。
オーストラリアでは、過去3年間に密航船を使ったアフガニスタンなどからのおよそ4000人の不法難民が確認され、先月就任したギラード首相は、この問題が年内に行われる見通しの総選挙の争点にもなっていることから対応を迫られていました。この問題についてギラード首相は6日、シドニーで行った講演の中で、入国管理を厳しくする方針を打ち出し、隣国の東ティモールに、難民に当たるかどうかを審査する施設を設置する構想を明らかにしました。密航船で入国しようとする人たちは、一律この施設で審査されるということで、施設を国外に設置し、審査前の入国を認めないことで密航をあっせんする業者に打撃を与えることができるとしています。また、この構想について現在、東ティモールのラモス・ホルタ大統領や国連難民高等弁務官事務所などと協議を行っているとしています。