専業主婦になりたい若い女性が増えているという。「男は仕事、女は家庭」という価値観はとっくに過去のものになったと思っていたが、なぜだろう。背景を探った。【山寺香】
「いい会社に入って、いいだんなさんを見つけたい。働く自信はあるが、特にやりたいことは無い。それよりも、専業主婦になって気楽に伸び伸びと過ごしたい」
こう話すのは、お茶の水女子大2年生(20)。大学の友人は「夫に『養ってやっている』と思われたくない」「夫と対等でいたい」などと、結婚後も働き続けることを希望するが、その発想が理解できない。「いいだんなさん」とは、一流企業に勤め、自分が働かなくても家族が余裕ある生活をできる経済力のある男性だという。
結婚するまで裁縫の先生をしていた専業主婦の母親(54)は「女性も働く時代よ」と、娘に公務員を勧めるが、工業大生の姉(22)も専業主婦志望。「育て方を間違えたかしら」と母親は首をひねる。
毎日新聞 2010年7月7日 東京夕刊