エルサレム(CNN) イスラエル軍は6日、2008年末から09年初めにかけて実施したパレスチナ自治区ガザへの軍事攻撃で白旗を掲げていたパレスチナ人を殺害したとして、兵士1人を殺人罪で起訴したことを明らかにした。
軍の発表によると、この兵士は射撃兵としての任務遂行中に、白旗を振るグループとともに歩いていたパレスチナ人1人を、上官の命令や許可なしで狙い撃ちした疑い。
軍はこのほか、民家に潜伏していたテロ容疑者グループに逃走を説得するため、隣家のパレスチナ人男性に伝言を託した司令官を、軍の行動規範に反したとして起訴した。さらに、親族約100人の集まる民家が空爆を受けた件でも犯罪捜査を命じたという。
一方、ガザのイスラム礼拝所(モスク)が空爆の標的になったとの報告については、実際の標的はモスク前に立っていたテロ容疑者で、モスク内にいた民間人の被害は予測できなかったとして、法的措置は不要と結論付けた。
この攻撃による死者は、パレスチナ側によれば1400人余り、イスラエル軍側の発表では1166人に上った。国連人権理事会は09年の報告書で、イスラエル軍とパレスチナ側に戦争犯罪に相当する行為があったとして、双方に調査を求めていた。イスラエル軍は今年、ガザの人口密集地に対する砲撃を認めたとして、将校2人に処分を下している。