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ゆうパック遅配:「お中元が届かない」 百貨店、宅配業者切り替えも

 日本郵政グループの宅配便「ゆうパック」の集配作業の遅れが4日も続き、同便を使って贈答品などを販売している百貨店、名産品販売業者らは、宅配業者を切り替えるなど対応に追われている。7月上旬は「お中元」を配達するピークの時期とも重なり、消費者からは「指定した日に商品が届かない」などの不満も出ている。【南敦子、永井大介、谷川貴史】

 ●配送拠点

 同グループの郵便事業会社で関西の配送拠点となっている大阪南港ターミナル支店(大阪市住之江区)。長さ200メートル、幅50メートルほどの建物内ではブルーの制服を着た従業員に加え、ジーンズなどの私服にヘルメットをかぶって作業する人の姿が目立った。非番の従業員もかき集めて、滞留した荷物の処理に追われたようだ。

 「詳しいことは東京で聞いてほしい」。同支店の幹部は毎日新聞の取材に、緊張した面持ちで繰り返す。4日に東京都内の本社で会見した同社の鍋倉真一社長は「週明け早々に復旧する見込み」と強調した。

 ●名産品業者

 配達の遅れは、中元のシーズンに合わせて、旬の食べ物や地域の名産品を販売する業者に混乱を招いている。山梨県の桃販売業者には、知人に中元を贈ったが、遅配となった顧客らから「鮮度は大丈夫か」などの問い合わせが寄せられた。販売員の一人は「傷むことはないと思うけど、もしものことがあったら大変」と心配そうに語った。

 宮城県内のかまぼこ製造工場では、ゆうパックを集荷するトラックが通常、午後4時に来るが、7月1日は3時間遅れの7時ごろに到着した。販売の責任者は「本当に2日の発送に間に合うのか」と不安を覚え、「一日も早く集配が正常化してほしい」と語った。

 ●流通大手

 影響は流通大手にも及び、大丸松坂屋百貨店の主力店舗「大丸東京店」(東京都千代田区)では、2日から一部商品の配達を「ゆうパック」から別の業者に切り替える作業を開始した。4日までに対象商品は、顧客から配達日の指定を受けた計約2000個に上った。生鮮食品のように消費期限があるものは、代替品を送るなどの対応を行った。

 スーパー大手のイトーヨーカ堂は日本郵政側から3日になって集配遅れの一報を受け、ゆうパックを扱っている一部店舗に連絡。店頭では商品の配達を注文する顧客に対し、「届くのが遅れる可能性があります」などと伝えている。

毎日新聞 2010年7月5日 東京朝刊

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