東北新幹線で2011年3月に営業運転を始める新型車両「はやぶさ」(E5系)が17日午前10時過ぎ、新青森駅(青森市)に初めて姿を現した。12月4日の新幹線延伸に向け新青森―八戸駅間で実施されている走行試験の一環で、地元関係者や鉄道ファンら500人以上が出迎えた。
「はやぶさ」は高速運転しながらトンネル進入時の騒音や振動を抑えるため、鼻のように見える車体の前面が長い「ロングノーズ」の形状を採用している。青森県十和田市から見学に来た笠石要吉さん(73)は「いかにもスピードが出そうで格好がよい。早く乗って、久しぶりに東京旅行をしてみたい」と、約9カ月後の運行開始を楽しみにしていた。
現在は鉄道で東京駅から青森市へ向かうと最短約4時間かかる。12月の新幹線延伸時、東日本旅客鉄道(JR東日本)はまず現行の「はやて」(E2系)を走らせ、3時間20分程度に短縮する。
速度を上げやすい宇都宮―盛岡駅間では現在、「はやて」は最高時速275キロメートルで走っている。「はやぶさ」は11年3月から2年間、この区間を300キロメートルで運転し、東京―新青森駅間は3時間10分程度となる。
13年3月には320キロメートルへスピードを上げる。山陽・九州新幹線に登場予定の新型車「さくら」(300キロメートル)を上回り、国内鉄道最速になる見通しだ。これにより東京駅から新青森駅は約3時間5分で青森市へ行ける。「のぞみ」登場以前の東海道新幹線の東京―新大阪駅間とほぼ同じだ。
交通・観光業界では、旅客の心理や行動に「3時間の壁」があるといわれる。鉄道などに3時間以上乗っていると「長い」「遠い」と感じる人が増え、3時間以内だと飛行機でなく鉄道を使う人が多くなる傾向がある。
羽田―青森空港間も日本航空機が片道約1時間15分で飛んでいるが、搭乗手続きや空港と都心の移動を考えると、所要時間の差は大きく縮まる。雪など悪天候に強い新幹線の延伸は、青森県にとって悲願だった。
青森県の三村申吾知事は「東京の企業経営者から『近くなりますね』と言われるようになっった」と話し、観光・ビジネス両面で“東京―青森3時間時代”に期待する。朝早く東京駅を出発すれば、午前中から青森県内で商談や行楽を始められるようになる。
「はやぶさ」はサスペンションや車体傾斜装置にも最新技術を使い、揺れを少なくしている。座席を広めにして、可動式枕や読書灯、パソコンなどを充電できる電源コンセントを備える。車中では読書、仕事、仮眠と、思い思いに時間を過ごせる。グリーン車よりさらに高級で、飛行機のファーストクラスに相当する「グランクラス」も設ける。
新幹線は15年度に北海道の新函館駅まで延びる。北への旅で鉄路と空路どちらを使うか。出張や旅行で出掛ける人には選択肢が増え、サービスや料金面での競争も期待できそうだ。
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