DOL特別レポート
【第66回】 2010年7月1日
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米史上最悪!メキシコ湾原油流出が止まらない訳
~調査メンバーが明かす唯一の解決策とその難易度
スティーブン・ワーリー パデュー大学教授に聞く

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米史上最悪のメキシコ湾原油流出事故は発生から2カ月過ぎても流出が止まらず、オバマ政権を揺るがす事態に発展している。国民の怒りや不安が高まるなか、オバマ大統領はBPに対し、7月半ばまでに原油回収率を80%に高め、8月末までに流出を完全に止めるように求めた。はたしてそれは実現できるのか。この事故の流出量調査などに携わっているスティーブン・ワーリー・パデュー大学教授に聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 矢部武)

スティーブン・ワーリー
(Steven T. Wereley)
パデュー大学教授。専門は機械工学で、とくに液体流量の測定方法に詳しい。2005年には新しい液体用超微小流量測定器を開発し、特許を取得。液中の微生物などの動きをCCDカメラで撮影し、それをもとに液体流出量・速度を測定する方法は原油流出量の測定にも役立つ。今回の原油流出事故では政府の調査チーム(FRTG)のメンバーとして、推定流出量の測定作業に携わる。事故に関する議会公聴会で証言し、米メディアからも引っ張りだこだ。ノースウェスタン大学で機械工学修士号を、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で博士号を取得。

―オバマ大統領の対応を評価しない米国人が過半数に上っているが、それはなぜか。

 大事故を起こした後のBPの対応を米国政府がすばやく監視しなかったことに、国民の多くは不満を感じているのではないか。しかし、考えてみれば、政府はBPに代わって海底油井に蓋を設置したりすることはできないし、政府にできることは非常に限られている。だからこそ政府はBPの対応をよく見守り、必要とあれば厳しい要求や提言をしていくことが大切なのだ。

 (4月20日の)事故発生から2カ月も経過しているのに、未だに原油流出は止まらない。国民は一刻も早い解決を望んでおり、BPや政府に非難が集中するのは仕方ないだろう。

―現在の原油流出量は。

 最新(6月15日)の発表では、一日あたりの推定流出量は3.5万~6万バレル(1バレル=159リットル)である。

―その前の発表では2万~4万バレルだったが、なぜ数字がころころ変わるのか。

 それにはいくつかの理由がある。BPは当初、1日あたりの流出量を1キロ~5キロバレルと発表したが、これはまったくの間違いだった。それから5月下旬に私もメンバーを務める政府の原油流出調査チーム(FRTG)で、2つの異なる方法で流出量を測定した。1つは海面に浮かんだ原油を航空機で海上観測する方法で、結果は1.2万~2.1万バレル。もう1つは海底のパイプから流出する原油のビデオ映像などをもとに計算したが、結果は2万~4万バレルだった。

 その後、6月初めに原油を回収するための「トップ作戦」が失敗に終わり、BPは新たに「キャップ」作戦を試みて成功させた。その直後に後者の方法で再び流出量を測定すると、3.5万~6万バレルとなった。その前の調査より約1.5倍に増えたが、それは一連の回収作戦の影響なのか、あるいは他の要因なのかはっきりわかっていない。

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