8月17日(月) 0:55~1:45 <2か国語放送>

BBC 制作

フランスのパリにある、アルベール・カーン博物館に残された貴重な映像資料をもとに、20世紀初頭の世界を振り返る。

フランスの大富豪、アルベール・カーンは20世紀初め、世界を写真と映像で記録する「地球映像資料館」を作るため、私財を投じて世界中にカメラマンを派遣した。番組ではカーンが特に愛着を抱いていた日本に焦点をあてる。

「地球映像資料館」のプロジェクトでは20年ほどの間に3回にわたって日本で撮影を行った。初回の1908年にはカーン自らがカメラマンを伴って撮影旅行をしている。最新のカラー写真技術、「オートクローム」などを使って近代化が進みつつある東京の街や日光東照宮、またカーンと親交があった高橋是清や本野一郎、大隈重信といった著名人の姿も写真におさめている。庶民の暮らしぶりにも興味を持っていたカーンは、カメラマン達に農村の人々の暮らしぶりや当時の主要産業だった絹の製造過程を丹念に記録させた。また、能や歌舞伎、芸者など伝統芸能の貴重な映像やカラー写真も残している。
皇族とも親交があったカーンは北白川宮家の内部や子ども達が遊ぶ様子、また大正天皇の大喪の礼の準備の様子など数々の貴重な映像資料を集めることに成功する。

世界平和を願ってこのプロジェクトを始めたカーンだったが、その願いもむなしく第二次世界大戦が始まり、祖国フランスはカーンが賞賛してやまなかった日本と敵対関係になる。1940年にカーンは亡くなったが、彼が残した過ぎし日の美しい日本の姿は今も、人の心を打つ。


※放送内容は、変更になることがあります。詳しくはNHKオンラインをご覧ください。