アメリカのオバマ大統領は6日、ワシントンでイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラエルが懸念するイランの核開発問題での協調姿勢をてこに、イスラエルに対し、ことし9月までにパレスチナとの間で当事者どうしの直接的な和平交渉を始めるよう迫りました。
この中で、オバマ大統領はまず、「イランに経済制裁などの圧力をかけ続ける」と述べ、イランの核兵器の開発を断固として阻止する姿勢を示しました。その一方、中東地域の安定のためにはイスラエルとパレスチナの和平も不可欠だとして、アメリカの仲介で間接的ながらも再開されたパレスチナとの和平交渉を、ことし9月までに当事者どうしの直接的な交渉に進展させるよう求めました。オバマ大統領としては、「イランが核兵器を持てば国の存亡にかかわる」と危機感を強めるイスラエルに対し、対イランでの協調姿勢を示すことで和平交渉を進めるよう求めたものです。これに対しネタニヤフ首相は、イスラエルが占領地で入植活動を続けていることがパレスチナ側が直接交渉を拒む要因となっていることについて、今回の会談でも入植活動を凍結するかどうか明言を避けました。このように中東和平の道筋がいまだ見えないなか、アメリカとしては、今回の会談で確認されたイスラエルとの協調姿勢をてこに和平の実現に近づきたい考えで、今後仲介役としての指導力が、あらためて問われることになります。