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貴乃花親方、たった一夜で退職撤回

 朝げいこの指導を終え部屋に引き揚げる貴乃花親方=桑名市内の貴乃花部屋(撮影・浜畑利郎)
 朝げいこの指導を終え部屋に引き揚げる貴乃花親方=桑名市内の貴乃花部屋(撮影・浜畑利郎)

 大相撲の貴乃花理事(37)=元横綱貴乃花=が5日、退職の意思を撤回する意向を示した。貴乃花理事は、4日に行われた臨時理事会で協会からの退職願を村山弘義理事長代行(73)に提出したが受理されなかった。退職願の提出から一夜明けたこの日、一転して退職の意思を撤回する発言をした。元大関琴光喜、元大嶽親方(元関脇貴闘力)らの解雇を受けての貴乃花理事の突然の退職の申し出に、協会幹部からは「無責任だ」と批判的な声が上がった。

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 4日の臨時理事会から一夜明け、貴乃花理事の意思は一転した。この日、貴乃花理事は部屋の朝げいこに姿を見せ、弟子たちを指導。退職願を提出した事実に関しては「何もお話しすることはありません」と明言を避けたが、「弟子の育成のことが常に頭にあります」と協会に残留する意向を示した。

 4日の臨時理事会で、元大関琴光喜の解雇が決定すると、貴乃花理事はいきなり立ち上がって村山理事長代行に退職願を提出しようとした。理事会の最中での出来事だったため、他の理事が貴乃花理事の行動をしっ責し、席についた。理事会終了後に再度、村山理事長代行に退職願を提出したが、受理されなかった。

 貴乃花理事が退職の意思を固めた理由は、2月の協会理事選で自身の支持者だった元大嶽親方、阿武松親方(元関脇益荒雄)と、選挙で貴乃花理事に投票したとみられる元大関琴光喜らが懲戒処分を受けたことへの引責とみられる。理事会で貴乃花理事は元大関琴光喜と阿武松親方の軽減を求めていた。

 また一方で、理事会で阿武松部屋を一時預かりとする案が出て、預かり先として貴乃花部屋が候補に挙がった。だが貴乃花理事は「私のところにはまだ余裕がありませんので」と拒絶。これに対して武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「(理事選で)1票入れてもらったのに何だその態度は」と声を荒らげたという。

 二所ノ関一門を離脱し、「改革」を掲げ当選した貴乃花理事の今回の行動に、二所ノ関理事(元関脇金剛)は不快感をあらわにした。「とんでもなく無責任すぎる。あれだけ立派なことを言ったのに。誰が見てもおかしい。何のために理事になったのかね」と辛らつな言葉を並べた。残留という形で矛を収めたが、協会内での立場は厳しいものとなるだろう。

(2010年7月7日)





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