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2010年7月 6日 (火)

激戦区秋田ルポ

 先月末、参院選激戦区、秋田を取材して来ました。

 全く知らなかったのですが、韓国で昨秋に放送された「IRISアイリス」というテレビドラマの舞台が秋田県だったそうですね。田沢湖には、韓国からの観光客の方が大勢いらしていました。空港やおみやげ物売り場には、ハングル表記の案内がたくさんありました。

 「冬のソナタ」では日本の観光客が舞台となった春川(チュンチョン)に殺到したと聞きますが、逆パターンの現象でしょうね。      

写真は田沢湖です。 001  

さて、参院選。秋田選挙区(改選数1)に自民党から出馬した元プロ野球内野手の石井浩郎氏(46)=たちあがれ日本推薦=、民主党現職で元ニュースキャスターの鈴木陽悦氏(61)=国民新党推薦=と事実上の一騎打ちとなりそうです。6月下旬の共同通信社による世論調査では横一線とされましたが、石井氏には女性からの手堅い支持があり、陣営は自信を深めています。鈴木陣営は6月下旬から菅直人首相、前原誠司国交相、原口一博総務相と閣僚を続々と応援に送り込み、徹底抗戦していました。

 田んぼが赤く照り映える夕暮れ時。角館を走っていた石井氏の街宣車に70代の女性が杖をつきながら駆け寄ってきて、転んでしまいました。「おばあちゃん、大丈夫!? ごめんね」。車を飛び降り、悪くもないのに謝って、いたわるサムライの真摯さに女性は何度もうなづき感激していました。

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 サムライの強みは、女性からの支持。街宣アナウンスが聞こえると次から次へと民家から外に出てきて握手とサインを求めます。主に主婦層。田沢湖の土産物売り場の60代の女性は「優しく頼もしく男っぽい。まんず犬も蹴れねえような人だべ」。石井の出馬表明直後、離婚歴に事実無根の中傷を加えた週刊誌報道が出たことで、後援会では女性離れを懸念していたが、杞憂だったようですね。

 50年以上秋田県選出の国会議員の秘書を務めてきた後援会事務所の藤本光男さん(83)は「最近の女性は草食系を好まない。サムライのイメージが心強いでしょう。女性票は浮動票と違って風が吹いても流れません。こんな候補者は今まで(秋田県の)自民党にはいませんでした」と話す。鉱業、林業が多いことから組合が多く、沖縄県に次ぐ革新県と呼ばれた秋田では画期的な現象のようです。

 それでも油断はできないようです。6月24日、角館で行われた演説会で石井氏は球界復帰の可能性を否定。「私も少し野球をやっておりました。指導者として球界に戻る夢もありましたが、政治の世界に一度手を上げた以上は、戻ることはありません」と政界に骨埋める覚悟を表明。出馬表明直後には高齢の父母が暮らす八郎潟町の実家をリフォームし、自分の仕事部屋を作っています。

 応援演説のため秋田入りし、秋田を最重点区として、石井氏と一緒に街宣活動をした大島理森幹事長は子どもたちが野球のバットを持って街宣車を追ってくる光景に感動していました。「子どもに夢を与えられる石井さんには、地域作りの専門家になって欲しい」と期待。一日に県内200キロ以上を回る石井氏は「接戦とは聞いてますが、あとはやり抜くだけ」と最後は運動量で競り勝つ公算です。

 一方の鈴木候補も地元の知名度では負けていません。

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 鈴木氏の陣営には6月30日、カナダから帰国したばかりの菅首相が応援に入りました。世論調査では横一線と出たものの、新人の石井氏を上げ潮とみて警戒感を強めています。

鈴木氏は「テレビ局を辞めたばかりで立候補した6年前とは様相が違う。前回のような蜂の巣を突いたような騒ぎはないが、6年間議員を務めた実績で評価して頂ければ」と淡々と話していました。

 地元の若い層の間では顔が小沢一郎前幹事長に顔が似ていることが話題になっているが、元ニュースキャスターならではの親しみやすさをアピールしています。秋田テレビでは1970年代から「JAみどりの広場」「クボタ民謡お国めぐり」と農村番組を2つ担当しており、いまだに農家での知名度、好感度は石井氏よりも高いようです。

 応援演説した原口総務相も「国会でしがらみのない鈴木さんは事業仕分けをする上でも大事な方」と訴えていました。

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コメント

 甲斐さん、またまた秋田に突撃取材ですか?タフですね。
 おかげで、この詳細なレポートを拝読させていただいています。秋田も激戦区ですか?秋田はやはり、ニュースキャスター鈴木陽悦氏に元プロ野球選手の拝啓・石井浩郎氏が挑む構図。鈴木さんは民主党入りをされたのは去年の10月。こちらからみていると、自民党、民主党の政党対決というよりも、やはり個人の対決のように見えます。
 
 現場ではそうでもないでしょう。秋田県の医師会は石井氏を押しているようですが、鈴木氏も組織票をがっちり固めている。そうだとすると、勝敗の帰趨を決するのは、女性票がどちらに傾くかによるのでしょう。甲斐さんのこのレポート、しぶいところを衝いていますよ!

 ところで、国会には2つの議員さん専用の食堂のほかに、見学者用・一般職員用の食堂、それにカフェテリアひとつとお蕎麦屋さんが3つあるそうですが、甲斐さんは議員食堂に行かれたことあります?なにやら一般人が議員食堂でご飯を食べようとすると紹介やら認可が必要だとか?議員先生は上京する地元の後援会ご一同をこちらにご招待するとのこと。内装は高い天井と特徴のあるシャンデリアなのに、出てくるメニューは幕の内弁当とかおでんがでてくるというギャップが楽しそうですね。

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甲斐毅彦

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