韓国 2010年7月7日(水曜日)
過去最高!275万台販売:上期の現代・起亜自動車[車両]
現代・起亜自動車グループが今年上半期(1〜6月)に国内外で前年同期比34.0%増の計275万3,000台を販売し、半期ベースの販売台数としては過去最高を記録していたことが6日、分かった。現代自動車、起亜自動車ともに過去最高を記録。半期ベースで最高だった昨年下半期(7〜12月)の258万6,000万台を上回った。今年通年では昨年より100万台以上多い、600万台の販売も可能とみられている。
■通年では600万台も
ヘラルド経済新聞などによると、現代・起亜自グループの上半期の販売台数は、米ゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車、独フォルクス・ワーゲン(VW)、米フォードに次ぐ、世界5位となった。
上半期の好調を受け、通年では、当初目標の540万台を突破するとの見方が強まっている。
過去3年間の同グループの販売台数推移を見ると、世界的な金融危機となった2008年を除くと、下半期の販売が上半期を上回っている。過去3年間を平均すると、下半期の販売台数は上半期より5%以上多く、昨年は25%の開きがあった。これを今年上半期の販売台数に当てはめると、年間販売台数は564万〜619万台と推算できる。
特に、現代・起亜自は下半期に欧米や中国など世界の主要市場で相次いで新車を投入する方針で、展望は明るいとみられている。
■米国シェア8.4%に上昇
同グループは米国で、6月にシェア8.4%を記録し、過去最高を更新した。同国では今後、現代自の中型セダン「ソナタ2.0ターボ」や「ソナタ・ハイブリッド」、小型セダン「アバンテ」、大型高級セダン「エクース」、起亜自のスポーツ多目的車(SUV)「スポーティージR」や中型セダン「K5」などを投入し、さらなるシェア拡大を目指す。
欧州では、上半期に発売したSUV「ツーソンix」の販売拡大に力を入れるほか、「スポーティージR」を発売する。また、欧州では、サッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の影響で、公式スポンサーである同グループの知名度が高まっていることから、販売増が期待できるという。
世界一の市場となっている中国では、今月中に中国向けの小型車「ベルナ」を発売するほか、「スポーティージR」も数カ月内に発売し、中国のSUV市場攻略を本格化させる考えだ。
■海外生産基地も拡大
海外での新車発売のほか、現地での生産拡大にも力を入れる。
12年には中国で130万台など、海外だけで計350万台の年産体制が整う。世界の完成車メーカーのうち、海外で年産300万台以上の工場を保有するのは、トヨタ、GM、VWグループの3社にとどまっており、これら大手の仲間入りすることは確実だ。
■15年に世界トップ3に
今年は年間600万台以上の販売を目指し、2015年には世界トップ3の自動車メーカーへの飛躍に向け、同グループは経営改革にも乗り出している。これまでは、販売増を念頭に置いた積極的な経営を行ってきたが、これだけでは不足していると判断したとみられる。
現代自は最近、これまでは行っていなかった他社人材のスカウトに力を入れている。また、広告も、これまでは最大出力や最多のエアバッグなど数字を羅列させ、車が登場する広告が多かったが、このパターンから脱し、車を登場させなくても同グループの車に乗れば喜びを感じられるといった感性に訴えかけるものに変化させている。
金融危機の影響の中でも世界市場で善戦してきた現代・起亜自が、国内外でさらに販売を拡大させ、世界を代表する車メーカーに飛躍できるか、今後も注視していく必要がありそうだ。