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最終更新:2010年7月2日(金) 19時11分

弁護士殺害容疑、手配男が出頭・逮捕

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 横浜の法律事務所で弁護士が殺害された事件。指名手配されていた男が1か月に及ぶ逃亡の末、1日夜、警察に出頭し、逮捕されました。男は警察の追跡をかわすためか、頭を丸刈りにしていました。

 1日午後9時45分ごろ、横浜市・中区の中華街近くにある加賀町警察署に1人の男が現れました。頭を丸刈りにし、カバンを2つ持った男は、受付にいた当直の署員に話かけました。

 「出頭しました」(男)
 「何の関係ですか?」(署員)
 「弁護士殺人事件の件で出頭しました」(男)

 「名前は?」(署員)
 「・・・」(男)
 「平川か?」(署員)
 「身元を証明できるものがないので、指紋やDNAを調べて下さい」(男)

 身元を証明するものを何1つ持っていなかった男。しかし、警察のその後の確認作業で、男は先月、横浜市で弁護士が殺害された事件で逮捕状が出ていた平川隆則容疑者(41)であることが分かりました。

 事件はちょうど1か月前の先月2日、横浜市の法律事務所で起きました。

 前野義広弁護士(42)が男にナイフで胸などを刺され殺害されたのです。男は現場から逃走、前野弁護士の近くには血のついたナイフやスタンガンが残されていました。

 「うつろな感じだった。目がすわっていた。色白で、顔色があまり良くなくて」(逃走する男を目撃した人)

 警察は事件前に凶器と同型のナイフを購入していたことなどから、千葉県市川市の無職、平川隆則容疑者の逮捕状をとり、全国に指名手配。事件当日の平川容疑者が映った防犯カメラの映像を公開するなどして行方を追っていました。

 「普通にもの静かな方だなと。ほとんど物音も聞いてない」(以前住んでいたマンションの住民)

 そして、1日夜、出頭した際、平川容疑者は公開された写真とは異なり、頭を丸刈りにして、黒縁のメガネをかけていました。所持金は4000円程度で、少女マンガ4冊を持っていました。

 警察は平川容疑者が警察の追跡をかわすために 髪形を変えるなどしたものの、逃亡生活に行き詰まり、出頭した可能性があるとみています。

 関係者によりますと、平川容疑者は3年前に現在の妻と結婚。殺害された前野弁護士は平川容疑者の妻が起こした離婚訴訟で妻の代理人でした。

 「最後の被疑者とのやりとりを 伝聞で聞きましたけれど、被疑者の不当な要求に屈することなく、弁護士としての職務を全うしたと私は信じていますので、その意味で誇りに思います」(前野弁護士の上司だった影山秀人 弁護士)

 警察の取り調べに対し、「ナイフで突き刺して殺害したことは間違いありません」と供述する一方、殺意を否認している平川容疑者。警察は逆恨みによる犯行とみて追及しています。(02日15:10)

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