食肉の生食による食中毒が増えています!
食肉に起因する食中毒の予防!(食肉を提供する飲食店の皆様へ)
食肉に起因する食中毒の原因物質としては、カンピロバクター、サルモネラ属菌、腸管出血性
大腸菌などの病原性大腸菌などがあります。これらは、もともと牛、豚、鶏の内臓(腸管や肝臓)
に存在し、と畜場や食肉処理施設において食肉に付着します。
特にカンピロバクターは、牛肉(内蔵含む)、豚肉、鶏肉などで高率に汚染されており、鶏肉で
20から40%、牛胆嚢内胆汁で25%、牛肝臓で11%は保菌しているといわれています。
肉から他の物への汚染を防ぐ!
○お肉を加工する包丁やまな板などは専用にしましょう。
○野菜などに肉汁(ドリップ)がかからないようにしましょう。
○お肉を触った後は、必ず手指の洗浄・消毒をしましょう。
○器具やお皿などは熱湯で消毒しましょう。
○生肉をつかむ専用の器具(トングや取り箸)を準備しましょう。
食肉を生で提供しない!
○ユッケやレバ刺しなどを提供する場合は「生食用の衛生基準」に適合したものを提供しま
しょう。新鮮なものであっても「生食用」の表示がなければ「加熱用」です。
○生レバーや生センマイなどの内臓肉で「生食用の衛生基準」に適合したものは、ほとんど流通
していません。
お客さまへの注意・呼びかけ!
○お肉やホルモンなどはしっかりと加熱してもらいましょう。
○バイキングの場合、陳列ケース内での相互汚染を防ぎましょう。(配置の工夫や専用トング
などの設置など)
○生肉専用のお皿や箸は多めに用意しましょう。
《肉の生食や加熱不足で起こる食中毒》
主な症状など | 原因となった食品 | |
カンピロバクター | 潜伏期間:2から7日 腹痛、下痢(水様便)、発熱、頭痛 |
生レバー(レバ刺し)、ユッケ 鶏わさ、鶏肉タタキ |
サルモネラ属菌 | 潜伏期間:8から48時間 下痢(水様便)、発熱(高熱になりやすい)、 腹痛 |
生レバー(レバ刺し)、ユッケ 鶏わさ、鶏肉タタキ 鶏卵 すっぽん料理 |
腸管出血性大腸菌 | 潜伏期間:4から8日 腹痛、下痢(水様便、血便)、発熱 人から人への二次感染を起こす |
生レバー(レバ刺し)、ユッケ ハンバーグなどのミンチ肉の 料理 |
※いずれの菌も極めて少量で感染を起こします。
食肉販売店、飲食店の方、本当にそのお肉は生食用ですか?
牛レバ刺しや牛肉刺しなどは、腸管出血性大腸菌O157やカンピロバクター、サルモネラなどに
かなり汚染されています。
これらによる食中毒が多発することから、平成10年9月に厚生省は「生食用食肉(牛又は馬の
肝臓又は肉)の衛生基準」を定めました。
と畜場だけでなく、食肉販売店や飲食店まで全ての施設が、この生食用の衛生基準を守って、
処理することが必要です。
牛レバ刺しや牛肉刺しなどを販売・提供する場合は、必ず「生食用」であることを表示などで確認
し、適正な方法で加工・調理をしてください。
『生食用食肉の衛生基準』 ・糞便系大腸菌、サルモネラ属菌が陰性であること。 ・まな板、包丁などは専用のものを用いること。 ・器具は、83℃以上の温湯で洗浄消毒すること。 ・食肉の品温を10℃以下にすること。 ・生食用食肉には次の事項が必ず表示されています。 「生食用である旨」、「と畜場名(都道府県名)」、「食肉処理場名(都道府県名)」 ※これは衛生基準の一部です。詳しくは保健所までお問い合わせください。 |
※「生食用レバー」と「生レバー」は違います。
《生食用食肉の取り扱い状況(平成18年度)》
○生食用肝臓の加工基準適合のと畜場
自治体 | と畜場名 |
新潟県新潟市 | 新潟市食肉センター |
長野県 | 佐久広域食肉流通センター |
福岡県 | 県南食肉センター協同組合 |
福岡県 | うきは市営と畜場 |
熊本県 | 千興ファーム食肉センター |
熊本県熊本市 | 熊本市食肉センター |
○生食用食肉の出荷実績のあると畜場
自治体 | と畜場名 |
青森県 | 株式会社 青森畜産公社津軽食肉センター |
福島県 | 会津食肉センター |
福島県郡山市 | 株式会社 福島県食肉流通センター |
宇都宮市 | 株式会社 栃木県畜産公社 |
山梨県 | 株式会社 山梨食肉流通センター |
高知県高知市 | 高知県広域食肉流通センター |
福岡県 | 県南食肉センター |
福岡県 | うきは市営と畜場 |
熊本県 | 千興ファーム食肉センター |
熊本県熊本市 | 熊本市食肉センター |
※大田市にある島根県食肉公社では、これらの加工基準を満たしていません。
厚生労働省 カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)
http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/campylo/index.html