【静岡】県警が違法薬物の摘発実態の現状を紹介 浜松でシンポジウム2010年7月5日 まん延、若年化に警鐘
身近にまん延する違法薬物の現状と摘発の現場を紹介するシンポジウム「そこが聞きたい、乱用薬物の実態」(中日新聞東海本社後援)が4日、浜松市中区のプレスタワーであり、県警薬物銃器対策課課長補佐の岩永政己警部(46)の話に市民ら約250人が耳を傾けた。 県内では2009年、違法薬物関連で555人が検挙され、中学3年の男子生徒や15歳の少女など、摘発対象も若年化している。岩永警部は「ダイエット目的など、気軽な気持ちで手を出す事例が絶えない」と指摘。「空港の税関で摘発される薬物はほんの一部で、実際の流入量は計り知れない」と、国内でのまん延ぶりに警鐘を鳴らした。 自殺や放火に至る使用者もいるほか、人に追われているとの幻覚を起こし交番に駆け込む▽「虫が取れない」と取調室の机をふき続ける−など、異常な振る舞いが多く見られるといい、「悲惨な結果を生む」と紹介した。 浜松市内の私立高の鶴見健了教諭(29)は「大人が目を背けるのではなく、チャンスを見つけて話しかけていきたい」と語った。 シンポは、2012年に浜松市である国際法中毒学会の準備会が主催。県警では講演の希望を随時、同課や最寄りの警察署で受け付けている。 (皆川剛)
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