「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン呼びかけ人

   浅田義信(自主・平和・民主のための広範な国民連合・大阪)
   李 清一(在日韓国基督教会館館長) 
   池田直樹(弁護士) 
   岩井貞雄(ピースおおさか市民ネット代表) 
   上坂 明(弁護士) 
   上杉 聰(大阪平和市民会議) 
   空野佳弘(弁護士) 
   武村二三夫(弁護士) 
   林 功三(京都大学名誉教授) 
   松浦悟郎(カトリック大阪大司教区補佐司教) 
   吉岡数子(平和人権子どもセンター代表)

 
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソンを結成してまもなく1年が立とうとしています。私たちの運動もようやく輪郭が見え始めたところです。
 昨年度の「日の丸・君が代」の強制は、それまでと違い大変凄まじいものでした。大阪府教委は、三点セット(壇上日の丸、式次第に「国歌斉唱」、起立斉唱)を有無を言わせず強制してきました。右翼団体「日本会議」は入学式を監視し校長に圧力をかけ、府議会では卒・入学式だけでなく普段の授業の中で「君が代」指導を徹底するように圧力をかけてきました。産経新聞も大阪では豊中をターゲットにして「正常化」攻撃をかけてきました。
 私たちは、このような状況の中で弁護士の協力をえてホットラインを開設し相談活動を行ってきました。人権侵害の事例に対しては、府教委交渉を持ち、厳しく追及してきました。子どもたちや保護者、教職員の「思想・良心の自由」を守るために、一定の役割を果たせるよう努力してきました。また、7月には西原博史さん講演学習会、8月には「日の丸・君が代」強制反対ホットライン全国交流会、10月には北九州ココロ裁判の原告・竹森真紀さん講演学習会を開き、全国的な連携も少しずつできはじめているところです。
 今年度の卒・入学式は、ますます「日の丸・君が代」の強制が強まることが予想されます。大阪府教委は、昨年9月「国歌斉唱」が式次第に位置づけられた入学式で「生徒の参加及び行動(歌う・歌わない、起立・不起立)の自発性」を保障するアナウンスを許可した高等学校長2名を「厳重注意」処分しました。憲法に従って「良心の自由」を保障しようとする最低限の行為を処分するものであり、重大な憲法違反です。
 そこで2001年も以下の取り組みを進めていきたいと思っています。

(1)2000年度卒・入学式にあわせて「日の丸・君が代」強制反対ホットラインを開設します。
(2)府教委及び市町村教委に対して「日の丸・君が代」を強制する「命令」「指導」を行わないように要請します。また、子どもたちや保護者、教職員に対して、「思想・良心の自由」を侵害する行為があったときは、ただちに抗議し、撤回を申し入れます。
(3)「良心の自由」の制度保障を求める全国署名と府教委署名を、全国的な運動として進めます。
(4)「日の丸・君が代」強制をめぐる文部省・教育委員会の状況や学校現場の実状にあわせて、学習会や講演会、運動の交流会などを開きます。
(5)随時ニュースレター「良心と抵抗」を発行し、「日の丸・君が代」の強制をめぐる動きや情報、運動の紹介を行っていきます。

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