NHKは6日、大相撲名古屋場所の生中継を中止することを発表した。生中継を取りやめる代わりに、ダイジェスト番組を午後6時台にNHK総合とBS2で放送する。ラジオも同じ時間帯に取組の結果を放送する。
NHKの大相撲本場所の中継はラジオで昭和3年、テレビでは28年から行われてきたが、生放送を見送るケースは極めて異例。NHKの福地会長は一連の問題を踏まえ「相撲界に改革への道筋が立っておらず、また視聴者からも厳しい意見が寄せられており、総合的かつ慎重に判断した」と生中継中止の理由を説明し、日本相撲協会に対しては「待ったなしの改革に取り組むことを強く要望する」と言及した。
同日午後、日本相撲協会の村上弘義理事長代行らが東京・渋谷のNHKを訪れ、福地茂雄NHK会長らに賭博にかかわった力士への処分や再発防止への取り組みなどを説明した。その上でNHKは名古屋場所の生中継の中止とダイジェスト版による録画放送の実施を決めた。
NHKは角界における野球賭博問題を重く見て、大相撲中継の中止を含め6日に結論を出すとしていた。5日にNHKに寄せられた視聴者の意見では、67%が大相撲中継に否定的なものだった。
日本相撲協会・村山弘義理事長代行
「日本相撲協会は、このたびの名古屋場所NHKテレビ中継中止のご処置を厳粛に受け止めております。協会においては、新生した姿で、名古屋場所を立派に務めるべく、全員一丸となって総力を挙げて取り組みます。みなさまの変わらぬご支援のほど、お願い申し上げます」
横綱白鵬
「中継がされずに残念です。名古屋場所も目前なので、けいこに集中して頑張ります」