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山口組「弘道会」に包囲網 警察当局

7月6日0時37分配信 産経新聞

 警察当局が、指定暴力団山口組の有力2次団体「弘道会」(本部・名古屋市)幹部らを相次ぎ逮捕し、組織の切り崩しを進めている。弘道会をめぐっては、大相撲名古屋場所で現役の親方が手配した特別席で幹部らが観戦した問題も発覚したため、これまで以上に排除の機運が高まっているが、弘道会は目立った反発を見せずに“不気味な沈黙”を保っている。弘道会を出身母体とし、銃刀法違反罪で服役中の山口組組長の出所まで1年を切っており、捜査幹部は「不在の間に弱体化を進めたい」としている。

 「靴はこちらで脱いで、ここに置いてください」

 6月4日、大阪府警捜査4課は弘道会系組長による賭博開帳図利容疑で、弘道会本部を家宅捜索した。捜査関係者によると、約40人の捜査員が建物に入る際、組員から抵抗はなく、靴の置き場所にまで配慮する姿勢を見せたという。

 これまで弘道会は、警察当局への対決姿勢を鮮明にする強硬派として知られてきた。捜査員の住所や家族の情報収集を行い、家宅捜索では、捜査員の立ち入りに強い抵抗を示してきたが、取り締まりが強まる中、必要以上の軋轢(あつれき)を避けようとしているとみられる。

 実際、警察庁が昨年9月に弘道会の集中取り締まりを指示して以降、府警は弘道会系組長の摘発を重ねてきた。昨年10月には、不正に入手したカードで商品を詐取したとする詐欺容疑で、弘道会の最高幹部(若頭補佐)だった組長(当時)を逮捕。今年も弘道会直系組長を含む3人の系列組長を詐欺や銃刀法違反、賭博開帳図利などの容疑で逮捕している。

 弘道会の28の直系組織が集まり、“おひざ元”となる愛知県では、県警が今年4月、「弘道会特別対策室」を捜査4課に設置した。捜査幹部は「あらゆる法令を適用して摘発に努めたい」と話す。

 5月には、名古屋市で、弘道会直系組長の飼い犬のプードルを見た男性が「狂犬病の注射を打っているのか」と話したことに組員が立腹し、「オヤジの犬に何てことをいうんだ。事務所にわびを入れに来い」と男性を脅迫。県警は暴力行為法違反容疑でこの組長と組員の3人を逮捕している。

 一方、山口組本部(神戸市)がある兵庫県では、先代の山口組組長時代に隆盛を誇った山健組系の組織が大半で、弘道会の直系組織は1団体だけ。県警の捜査関係者は「勢いがある弘道会といえども、兵庫に浸透するには時間がかかるのでは」としながらも「周辺業者などは徐々に弘道会になびきだしている」という。

 このため、弘道会の台頭で冷遇されるようになった組織からは「警察が弘道会を弱体化してくれる」といった、他人任せの本音も漏れ聞こえるという。

 現在の山口組トップ、篠田建市受刑者(68)=通称・司忍=は来年4月に出所予定。ある捜査幹部は「それまでに弘道会を厳しく取り締まることが、ひいては山口組への打撃につながる」としている。

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最終更新:7月6日0時37分

産経新聞

 

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