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グループ一斉処分に責任感じ…貴親方、退職届

臨時理事会が開かれたホテルを出る貴乃花親方
臨時理事会が開かれたホテルを出る貴乃花親方
Photo By 共同

 元横綱の貴乃花親方(37=本名・花田光司)が、日本相撲協会に退職願を提出し、却下されていたことが4日、分かった。貴乃花親方は協会の理事としてこの日、名古屋市内で行われた相撲協会の臨時理事会に出席し、野球賭博問題で解雇された貴乃花グループの大嶽親方(42)=元関脇・貴闘力、本名・納谷忠茂=らが起こした問題の責任を取る形でけじめをつけた。しかし、理事長代行に就任した村山弘義外部理事(73)に受理されず、引き続き職務に当たることになった。

 これが土俵に命をささげてきた男のけじめのつけ方だった。貴乃花親方はこの日、臨時理事会に出席する前に退職願を書いて会議に臨んだ。

 「大嶽親方がこれだけのことをしでかしたので、(貴乃花)グループの代表として大きな責任を感じていました」

 臨時理事会では野球賭博問題を調査していた特別調査委員会の勧告を受け、大嶽親方と大関・琴光喜の解雇処分が決定されることになっていた。大嶽親方は貴乃花部屋の前身、二子山部屋時代の兄弟子で、引退後は貴乃花グループの有力メンバーとして今年2月の理事選挙などで貴乃花親方を支えてきた存在。仲が良かっただけに今回の野球賭博騒動では裏切られた気持ちが強かったが、グループのリーダーとしての責任感が相撲協会の退職という大きな決断に踏み切らせた。

 さらに、心を痛めていたのが、琴光喜の処遇だった。解雇処分を受けた琴光喜は大嶽親方らと交際するうちに賭博の深みにはまっていった可能性がある。弟子を指導する立場にある大嶽親方が解雇となるのは仕方がないが、現役大関にもう一度土俵に上がるチャンスを与えられないかという気持ちが強かった。

 「確かに野球賭博をしたことは悪い。ただ、もし許されるなら十両からでも幕下からでもいいから土俵に上がることはできないかと思っていました。それで理事会で罰を軽くしてもらえるようにお話をさせていただきました」。しかし、臨時理事会では貴乃花親方の願いは受け入れられなかった。すると貴乃花親方は、胸にしまっていた退職願を出してけじめをつける意思を明らかにした。

 突然の辞職表明に出席者は一様に驚いた様子だったという。そして謹慎処分となった武蔵川理事長に代わり、協会トップに就任した村山理事長代行がすぐに「これは受け取れません」と退職願を突き返した。

 琴光喜は2月の理事選挙で貴乃花親方に1票を投じた一人といわれている。さらに、弟子の力士と床山の計9人が野球賭博に関与したとして平年寄に10年間据え置きになった阿武松親方(元関脇・益荒雄)も貴乃花グループのメンバー。こうしたことも貴乃花親方が自分自身のけじめをつける思いにつながったようだ。「自分は理事になった時からいつでも何かあったら辞める覚悟でした。でも(村山)代行からは(退職願を)とにかく返すと言われました。これからはもう一度しっかり弟子の育成などに力を注いでいきたいと思っています」。平成の大横綱といわれた男の道は現役時代同様、協会幹部となってからも試練が続くようだ。

 ◆貴乃花 光司(たかのはな・こうじ)本名・花田光司。1972年(昭47)8月12日、東京都中野区生まれの37歳。父は元大関・貴ノ花、伯父は第45代横綱の初代・若乃花。明大中野中を卒業後、入門。88年春場所初土俵。95年初場所で第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。03年初場所限りで引退し、日本相撲協会から一代年寄「貴乃花」を贈られた。04年2月に二子山部屋を継承し貴乃花部屋を開いた。今年2月に相撲協会理事に就任。家族は景子夫人と1男2女。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年07月05日 ]

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