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「用意周到だったのは結果論」 はやぶさチーム率いた川口淳一郎教授に聞く

「夢だったらさめないで」――はやぶさチームを率いたJAXAの川口淳一郎教授に今の心境を聞いた。
2010年07月06日 08時31分 更新

「人材育成には活躍の場必要」

画像 「夢ならさめないで」と話すJAXAの川口淳一郎教授(小野晋史撮影)

 小惑星探査機「はやぶさ」が6月13日、数々のトラブルを乗り越え、小惑星「イトカワ」との往復を果たして帰還した。計画開始から十数年を経た世界初の快挙。チームを率いた宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授(54)に話を聞いた。(小野晋史)

――今の心境は

 「たくさんのステップが一つ一つ何とかつながり、最後まで来られた。夢だったらさめないでほしい」

――はやぶさの備えは万全に見えました

 「用意周到だったのは結果論。設計時はそこまで考えず、結果としてバックアップになった。例えば軽量化を突き詰めて対称的な形状になったから、姿勢を失って通信が途絶した時も機体の回転を予測しやすくて回復できた」

――復旧のため、燃料のキセノンガスを噴射する決断もしています

 「他に手段がなかった。車が踏みきりでエンストしたとき、バッテリーでモーターを動かすようなもの。それにキセノンガスは多めに積んでいた」

――トラブルをどう生かす

 「途中で生じた問題はすべて記録が残り、改善すべき点は如実にわかっている。次は信頼度の高いものが確実にできる」

――帰還までチームを引っ張れた要因は

 「はやぶさが非常に魅力的なプロジェクトだったことに尽きる。途方もなく目標が高く、みんなが誇りを持って取り組めた。小惑星に着陸して地球に戻るとの目標も明確だった」

――的確な判断を続けることができたのはなぜ

 「いろんな人が高い意志と意欲を持っており、提案のレベルが高かった。良い提案は誰が言おうとためらいなく使った」

――当初目標だった、小惑星の土壌試料を持ち帰る技術の確立はできましたか

 「弾丸を撃って試料採取する部分は果たせなかったが、ほかの部分は全部実証できたと思う」

――今後への課題は

 「知識を受け継ぐ人材を育てねばならない。はやぶさの運用が終わったその日から散逸は始まっている。活動の場が必要だ」

――後継機の「はやぶさ2(仮称)」とは

 「はやぶさとは全く違う。イトカワとは別タイプの小惑星を目指し、人工的に小型クレーターを作って内部も解明する」

――若手研究者に一言

 「既にできあがっている計画ではなく、クリエーティブに生きて新しいことをやってほしい」

[産経新聞]

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