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「集団自決」で証言映画 軍命否定の念書に反証も 朴寿南監督2006年11月8日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

宮村幸延さんの遺影を横に、映画「命果報〜玉砕場からの証言」について語る朴寿南さん=7日、県庁内

 2007年3月完成予定で、慶良間諸島やサイパンでの「集団自決」の証言を追ったドキュメンタリー映画「命果報(ぬちがふう)〜玉砕場からの証言」(仮題)の撮影が終了し7日、映画監督で在日朝鮮人2世の朴寿南(パクスナム)さんらが記者会見した。
 朴さんは渡嘉敷島への従軍慰安婦の強制連行を取り上げた「アリランのうた 沖縄からの証言」の制作者で今回が3作目。40人以上の証言を収録した。
 慶良間島の「軍命による集団自決」の存否が争われている大阪地裁の訴訟では「軍命はなかった」とする趣旨の念書が提出されている。映画では、念書を書かされたとする故・宮村幸延氏が「朝から酒を飲まされ、有利になりますよと交渉された」と証言する場面も収録された。
 念書には「集団自決は当時村役場助役の命令」と記されているが、会見に同席した與儀九栄元座間味村長は「助役に命令を出す裁量はない」と否定した。
 朴さんは「裁判のための映画ではないが、歴史を改ざんし、死の尊厳をおとしめるわけにはいかない。真実を表現したい」と話し、「いかに惨劇に追い込まれたか、犠牲者の恨(はん)を晴らし、死に残った人々がいかに戦後61年を生きたのか、映像の叙事詩になる作品」と報告した。
 作品は約2時間の2部構成で1部は離島、2部は本島の戦争体験者の証言を基に編集。自主上映で座間味、渡嘉敷から上映する予定だ。


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