人気映画シリーズの最新作「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」が3日、全国447スクリーンで封切られた。邦画実写最高の興行収入173・5億円を記録した03年の前作比102%と好発進。17日にはアニメ作最高の興収記録を持つスタジオジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」が公開を控えており、邦画界の実写&アニメのナンバー1作品による初のガチンコ対決が繰り広げられる。頂上を極める作品は一体…。夏休み映画“夏の陣”が開戦した。
◇ ◇
“銀幕夏の陣”の口火が切られた。7年ぶりとなる「踊る‐3」のメーン館、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇1では、主演の織田裕二(42)が、深津絵里(37)らと舞台あいさつ。名物キャラクター、和久平八郎を演じ、「踊る‐2」まで共演した故いかりや長介さんをしのび「和久さんにも届いてほしいとつくった」と満員の観客に語りかけると大歓声に包まれた。その様子は、全国41スクリーンで生中継された。
話題作は早くも記録的数字を叩きだした。正午の段階で、興収173・5億円という邦画実写史上最高を記録した前作「レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年)比102%を動員。亀山千広フジテレビ映画事業局長は「やるからには前作を超えたい」と記録更新を宣言した。
さらにその視線の先にあるのは最大のライバル、スタジオジブリ。ジブリは、01年の「千と千尋の神隠し」が304億円と邦画の興収記録を持つほか、「踊る‐2」の記録を上回る作品を3作輩出。最新作「借りぐらしのアリエッティ」(17日公開)は、夏休み直前の最も動員が期待できる“最高の公開日”に封切られる。
実はジブリとの同年公開は初めて。邦画界究極のガチンコ対決となるが、亀山氏は「相乗効果が期待できるのでありがたい。でも負けたくない。勝負は夏休み。これからもイベントを仕掛けていく」と闘志を燃やした。映画界にとって熱い夏が始まった。