大相撲の賭博問題で、NHKは6日、名古屋場所を中継するかどうかを決定する。同日午後に日本相撲協会から経過説明を受け、最終判断をする運びだ。
5日夜には総合テレビで「NHKスペシャル 大相撲は変われるのか」を放送。相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)と村山弘義理事長代行が番組に生出演し、改革を進めていく方針を説明した。村山代行らは6日に東京・渋谷のNHKを訪れ、福地茂雄会長らNHK幹部に直接、事情を説明する。大相撲中継をめぐって両者の首脳が会うのは異例だ。
NHKは、代行の説明をもとに幹部らが対応を協議する。焦点になるのは中継の是非をゼロベースで検討するよういち早く指示した福地会長の意向だ。
福地会長は1日の定例記者会見で判断の基準について、視聴者がどう受け止めるかとともに、相撲協会が再発防止に向けた姿勢を打ち出せるかが重要、との考えを示していた。相撲協会の幹部は4日の理事会をめぐって一時は理事長代行を内部から起用することで一本化しており、福地会長は「常識が欠けている」と強い不快感を示したという。
賭博問題に関し、NHKには6月14日から7月5日までに約1万2千件の意見や問い合わせが視聴者から寄せられた。中継に反対する意見が68%で、賛成する声は12%にとどまっている。琴光喜関らへの処分が決まった翌日の7月5日は特に意見が多く、900件にのぼった。この日に限れば中継反対は67%、賛成は25%だった。(村瀬信也)