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【大相撲】賭博84人指名公表、顔出し謝罪2010年7月5日 紙面から
日本相撲協会は4日、名古屋市内のホテルで臨時理事会と評議員会を開き、野球賭博に関与した大関琴光喜=佐渡ケ嶽部屋=と大嶽親方=元関脇貴闘力=の解雇処分を決定。今回の不祥事に関係した84人の力士、関係者を報道陣に公表した。その後、野球賭博関与者、その他の賭博関与者らが順に姿を現し、花札賭博をやったと認めた横綱白鵬が代表して「全国の相撲ファンに心からおわび申し上げる」と頭をたれた。上申書提出者による全員謝罪という前代未聞の“みそぎ会見”となった。 まばゆいばかりのフラッシュを受けながら、22人の力士と11人の親方衆は神妙な面持ちで会見場に入ってきた。 野球賭博をしたと上申書で認めた豊ノ島、雅山を先頭にずらりと横に並ぶ。その前列には謹慎処分が決まった武蔵川理事長を中心に、11人の親方衆が着席した。 武蔵川理事長が声を振り絞った。「度重なる不祥事で相撲を愛して下さる方々、関係者のみなさまにご心配、ご迷惑をおかけしたことおわび申し上げます。厳しいご意見を受け止めて、不祥事を起こさないよう努力してまいります」と言い、深々と頭を下げた。 33人が会見場をあとにすると、野球賭博以外の花札、マージャンなどの賭博で上申書を提出した力士、親方衆46人(未成年者3人をのぞく)が入ってきた。 先頭は横綱白鵬。半年に1回くらいの割合で花札をしていたとの上申書を出していた。白鵬は1歩前に出ると「相撲ファンのみなさまに心からおわび申し上げます」と謝罪した。 上申書を提出した者の名前は、当初は公表しない方針だった。それなのに野球賭博にとどまらず、その他のばくちまで公表した理由を、村上弁護士はこう説明した。 「非常に逆風が強いという判断です。これは明らかにしないと名古屋場所を開催できないというのがわれわれの判断」。どこからの逆風か、との問いには「社会からの逆風です」と明確な口調で言い切った。 野球賭博以外の賭博で謝罪した力士は若手の稀勢の里やベテランの栃乃洋までさまざま。幕下以下の力士には花札で1000円や2000円しか賭けていない者もいる。中には金銭ではなく、ちゃんこ番を花札で賭けていたという力士もいた。 それらも含めてすべての者は3日の夜に協会から連絡があり、この日は午後3時までに愛知県体育館に集合していた。野球賭博以外まで公表しなくてはいけないのかという声もあるが、社会の逆風という言葉の前ではどうしようもなかった。 「みそぎは終わったと思うか」−。そう問われた武蔵川理事長は会場に響き渡る大きな声でこう言った。 「終わったなどまったく考えておりません。このことを含めて不祥事が起きないよう努力していく」 公表したことによって力士たちの逆風はさらに強まるかもしれない。土俵の上で立ち向かっていくしかない。
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