◆楽天5−2日本ハム
指揮官の体を張った猛抗議が、選手の心を突き動かした。楽天が退場処分を受けたブラウン監督の無念を晴らし、見事な逆転勝ち。楽天移籍後、退場した試合で勝利するのは今季3試合目で初めて。広島の監督時代に7勝1敗だった不敗神話が復活した。
指揮官の怒りが爆発した。問題のシーンは同点に追いついた直後の5回1死二塁。鉄平の右中間二塁打で二塁走者の嶋が三塁をけって本塁に突入したものの、微妙なクロスプレーに対し、橋本球審がアウトと判定したことがきっかけだった。
ブラウン監督は真っ赤な顔でベンチを飛び出したものの、抗議を受け付けてもらえず。業を煮やして本塁に砂をかけた途端に侮辱行為で退場宣告。通算では11度目となり、自らが持つ退場記録を更新した。その後も球審に対し「お前こそ退場だ」と応戦。退場後は報道陣に日本語で「イイヨネ!?」と語り、試合後は「岩隈に勝たせたかった。抗議するしかなかった」と説明した。
指揮官の心意気はチームに伝わり、大砲ルイーズが8回に左中間に特大の決勝3号3ラン。「あの退場でチームが一丸となった。本当にいい監督だ。チームのため、選手のために体を張ってくれるのだから」と意地の一発につなげた。
これでチームの連敗も5でストップ。このまま負けていれば5強1弱の構図がさらに浮き彫りとなっていたに違いない。指揮官の“肉弾アピール”によって、チームが息を吹き返した。 (鶴田真也)
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