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【プロ野球】

小松号泣 保谷寮長急死に「勝ちたかった」

2010年7月4日 紙面から

◆ソフトバンク3−1オリックス

 ヤフードームの通路で小松は何度も涙をぬぐい、おえつを漏らしながら言葉を絞り出した。「きょうは保谷さんのために、勝ちたかった。悔しいです」。8イニングを140球3失点で完投。しかし永遠の別れとなった恩人に勝利をささげられなかった自分を悔いた。

 この日、合宿所「青濤館」の保谷寮長が死去した。最終的に脳幹出血による病死と判明したが、車中で発見されたことで球団は慎重に対応。選手には宿舎出発前に死亡の事実だけが伝えられた。厳しくも温かい指導で多くの選手から慕われていた保谷寮長。ナインは気丈にグラウンドに立ち、小松も動揺を押し殺してのマウンドだった。

 死力を尽くした和田との投げ合い。分岐点は7回だった。1死一、三塁で田上を注文通りの遊ゴロに打ち取ったが、当たりが弱すぎて併殺を取れず、勝ち越し点を献上。岡田監督は「小松はよう投げたよ」と擁護。

 「最終結果で喜んでもらえるように、ここからがんばりたい」と小松。ささげられなかった白星はもっと大きな歓喜に変え、秋に墓前に供えると誓った。 (宮崎厚志)

 

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