高速増殖炉「もんじゅ」:臨界到達

2010年5月8日 11時38分 更新:5月8日 12時35分

保安検査官が見守る中、もんじゅが臨界に達したことを確認する原子力機構の職員=福井県敦賀市で2010年5月8日午前10時36分(代表撮影)
保安検査官が見守る中、もんじゅが臨界に達したことを確認する原子力機構の職員=福井県敦賀市で2010年5月8日午前10時36分(代表撮影)
運転を再開した「もんじゅ」=福井県敦賀市で2010年5月6日、幾島健太郎撮影
運転を再開した「もんじゅ」=福井県敦賀市で2010年5月6日、幾島健太郎撮影

 1995年12月のナトリウム漏れ事故以来、14年5カ月ぶりに運転を再開した日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市、28万キロワット)は8日午前、核分裂反応が連続して起こる「臨界」に達した。

 原子力機構は制御棒19本のうち18本を引き抜いており、残る1本の引き抜きも8日午前8時49分から開始。午前10時36分、原子炉の出力が予定通り0.03%で一定になった。中央制御室では、当直長が臨界を宣言した。炉心の特性を確かめる試験は、5回の起動停止を経ながら7月下旬まであり、最大出力1.3%まで上昇させる。

 もんじゅでは運転再開初日の6日から7日にかけ、原子炉容器内の放射線量測定装置が6回警報を発した。故障と判明したが、原子力機構と経済産業省原子力安全・保安院は「臨界の工程に支障はない」とし、予定通り作業を進めていた。

 一方、情報公開が1回目の警報鳴動から約半日遅れたことについて、保安院の寺坂信昭院長は7日、原子力機構の岡崎俊雄理事長を呼んで口頭注意した。原子力機構は原子炉を停止する16~20日に装置を点検し、故障原因を調べる。【酒造唯】

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド